研究課題
1.入試問題分析の方法(1)分析対象○国・私立の中・高等学校の平成元年度入学者選抜の入試問題○分析対象校国立中・高等学校については文部省を通して入試問題を入手した学校(入試実施校の89〜100%、入手割合は教科により異なる)、私立中・高等学校については日本私学教育研究所を通して入試問題を入手した学校(同じく、78〜83%)を分析の対象とした。(2)分担担当者国・公・私立の小・中・高等学校教員111名の協力を得て研究代表者及び研究分担者が行った。(3)分析の視点分析の視点は、基本的には「学習指導要領の範囲を逸脱していないかどうか」に置いた。教科によっては、「問題の難易度」「内容領域」「回答時間」「内容のバランス」などについても分析を行った。2.分析結果〈学習指導要領の範囲を逸脱していないかどうかという視点からの分析〉学習指導要領の範囲を逸脱した問題を出題した学校の比率は、中学入試で各教科とも私立中学校のほうが国立中学校よりも高い。高校入試では、国語(漢字の逸脱)を除いて、国立学校と私立学校の逸脱校の比率に差はほとんど見られない。〈問題の難易度という視点から分析〉中学入試の場合、各教科とも私立中学校のほうが国立中学校よりも「非常に難しい」問題を出題した学校の比率が高い。高校入試では、国立高校の学校数が少ないこともあるが、理科を除いて各教科とも国立高校のほうが私立高校よりも「非常に難しい」問題を出題した学校の比率が高い。教科別で見ると、私立中学校入試では国語の比率が低いほかはほとんど変わらず、国立中学校では国語と理科に比べて算数と社会の比率が高い。高校入試では、私立高校の場合、社会と英語(設問・解答の難易度)の比率がほかの教科よりも高く、国立高校の場合は理科の比率が低く、英語の比率が高い。