研究課題/領域番号 |
01102041
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
西谷 正 九州大学, 文学部, 教授 (20037005)
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研究分担者 |
西村 康 奈良国立文化財研究所埋蔵文化財センター, 室長 (80000488)
田辺 昭三 京教芸術短期大学, 教授
荒木 伸介 埼玉大学, 教育学部, 講師
澤田 正昭 奈良国立文化財研究所埋蔵文化財センター, (保存科学), 室長 (20000490)
田中 良之 九州大学, 文学部, 助教授 (50128047)
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キーワード | 水中考古学 / 海底遺跡 / 蒙古襲来(元冦) / 海底地形 / サイド・スキャンソナ- / 地層探査 / 脱塩・保存処理 |
研究概要 |
今年度は、当初計画の通り平成元年11月11日よりの1週間と平成2年3月5日からの1週間、2回にわたって長崎県鷹島南岸一帯において現地調査活動を行った。 海底下という特殊な環境にある遺跡、遺物を対象とするいわゆる「水中考古学」は、調査、研究、保存、活用といった一連の研究方法が未だ確立されてはいない。まして当該対象地のように広大な「周知の遺跡」の場合はきわめて困難な問題が存在する。このような問題を解決するための基礎的研究が当研究の目的であり、その第一歩として肉眼では把握できない海底の状況をいかに捉えるかから着手することにした。 第1回の調査では、地上地形(鷹島)と海底地形とは一連の関係にあることから、海上より地上を観察し映像記録すると同時に、そのために航行した一定測線下の海底断面(深度)を連続的に測定した。また、これまでに長崎県によって発掘調査が行われた部分およびその周辺の埋戻し状況、海底の堆積状況を観察するために潜水調査し、映像記録した。 第2回調査は、文化庁の委託を受け鷹島町が実施したサイドスキャンソナ-による周知の遺跡範囲全域の海底地形の面的音響映像撮影の結果を基に、遺構、遺物の埋蔵されている可能性が高いと思われる地域に潜水し、より詳細に観察すると同時にTVカメラによる映像記録も行った。 今年度は上記のような現地調査のほか、国土地理院、海上保安庁水路部などから、この海域に関する基礎的資料の収集にも努めた。また、鷹島町が保管するこれまでに引き上げられた遺物についての保存処理の状況についても検討を加え、今後の対応について協議した。
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