研究分担者 |
西村 康 奈良国立文化財研究所, 埋蔵文化財センター, 室長 (80000488)
田辺 昭三 京都芸術短期大学, 教授
荒木 伸介 埼玉大学, 教育学部, 非常勤講師
澤田 正昭 奈良国立文化財研究所, 埋蔵文化財センター, 室長 (20000490)
田中 良之 九州大学, 文学部, 助教授 (50128047)
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研究概要 |
本年度は,当初の予定より多少遅れたが,計画通り2回の現地調査を含め,伊万里湾に浮かぶ長崎県鷹島南岸一帯の元寇関係遺跡を中心に,調査・研究活動を行った。 第1回現地調査は,8月1日から7日にかけて行った。この調査は,文化庁の委託事業「海底遺跡の検討」を受けた鷹島町と協力して行った。調査の対象地は,前年度の調査において最も遺物が残存している可能性が高いと判断された浦下浦を中心とし,サイドスキャンソナ-・サブボトムプロファイラ-に磁気探査を加え精査した。また,ソナ-の映像で異常を察知した個所に潜水し,沈船を確認しビデオで記録すると同時に実測調査を行い,今後の映像解析に重要な資料を得た。 第2回現地調査は,鷹島町の単独事業としてのボ-リング調査に協力して行った。先の調査で反応が認められた地点3個所をボ-リングし,海底堆積土層のサンプリングを行い,サブボトムプロファイラ-の資料解析のための基礎資料・年代測定の試料を得た。作業全行程はビデオで記録し,潜水調査による海底状況の調査も行った。 広範な海域の海底を調査するためには,先進的探査機器類の利用が効果的ではあるが,得られた生の情報を解析し,判断を下すためには,より多くの基礎的デ-タが必要である。徐々にではあるが,試料が蓄積され,今後の調査・研究に資する成果を上げつつある。 上記の他,これまでに収集されている海底出土遺物の保存状況の観測や分類整理・実測も行い,最終年度に向けての総括的準備も進めている。
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