研究分担者 |
田中 国介 京都府立大学, 農学部, 助教授 (90027194)
古田 喜彦 岐阜大学, 農学部, 教授 (20021719)
木下 俊郎 北海道大学, 農学部, 教授 (10001421)
荻原 保成 横浜市立大学, 木原生物学研究所, 助教授 (40185533)
杉浦 昌弘 名古屋大学, 遺伝子実験施設, 教授 (80027044)
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研究概要 |
主に分子生物学的手法を用いて,栽培種とその近縁野生種を比較研究し,栽培種の分子遺伝学的特性を明らかにすることを目的に,以下の概要のような3項目の研究を実施した。 <A)栽培種と近縁野生種のDNAライブラリ-の作成とその利用>___ー:コムギとイネではゲノミックDNAまたはcDNAのクロ-ンをプロ-ブとしてRFLP座位の連鎖分析と異数体分析を行って,全染色体に対応する連鎖群を完成した。また,これらプロ-ブを用いたRFLP分析を通じ,核ゲノムの種間関係及び種内分化を明らかにした。さらに,テンサイ属において葉緑体DNAのクロ-ンを用いて葉緑体ゲノムの分化を研究し,種間関係を確立した。 <B)生産性の基礎をなす形貭の研究>___ー:イネ,コムギ,ソラマメ,エンドウの4属の栽培種と祖先野生種について,rDNAの構造と活性を比較し,そのコピ-数,スペ-サ-の構造及び転写活性の差異を明らかにし,それに基づいて栽培種の起原と品種分化を推定した。光合成に関しては栽培タバコの光化学系IIのタンパク貭の1つをコ-ドする核遺伝子が2つあり,それらが2つの祖先種から1つずつ由来したことを証明した。トウモロコシでは炭酸固定酵素PEPCの3つの遺伝子の構造を決定し,それらの差異と進化的関係を明らかにした。 <C)栽培種にとって重要な形貭の研究>___ー:種子の休眠,発芽,穂発芽のそれぞれについて,これに関与する遺伝因子を解析し,その転写ないし翻訳産物を同定するとともに,ホルモンに対する反応性を調べた。次に、貯蔵タンパク貭について,イネではプロラミンをコ-ドする3遺伝子,サツマイモではスポラミンをコ-ドするA,B両サブファミリ-の計6遺伝子を単離し,構造を決定した。さらに,セネッセンス及び熱ショックに関わる遺伝子の単離に成功した。
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