研究課題/領域番号 |
01301001
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
佐藤 三夫 千葉大学, 教養部, 教授 (30094973)
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研究分担者 |
伊藤 博明 埼玉大学, 教養部, 助教授 (70184679)
根占 献一 学習院女子短期大学, 人文学科, 助教授 (50208287)
若桑 みどり 千葉大学, 教養部, 教授 (30015234)
クリウス リーゼンフーバ 上智大学, 中世思想研究所, 教授 (60053633)
西本 晃二 東京大学, 文学部, 教授 (00012352)
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キーワード | ルネサンス / プラトン主義 / フィチ-ノ / ピコ・デッラ・ミランドラ / ミケランジェロ / ベニヴィエニ / 美 / 幸福 |
研究概要 |
われわれに科学研究費補助金の内示があったのが、平成元年10月27日であった。そして平成元年度にわれわれが行なった最大の業績は、平成2年2月3日に東京都文京区の茗渓会館における「ルネサンス研究会」であった。この研究会は、当科学研究費補助金の研究課題「ルネサンス・プラトン主義形成と美の理念」の研究代表者および研究分担者全員によって組織されたものである。 研究会は当日午後1時より午後5時まで行なわれた。先ず、研究代表者の佐藤三夫より当科学研究費補助金との関連において「ルネサンス研究会」の主旨説明がなされた。研究報告の最初に伊藤博明氏が「ピコ・デッラ・ミランドラにおける美と愛」と題して、Pico della Mirandola,Commento sopra una conzone composta da Girolamo Benivieni secondo La mente et opinione de'platoniciを中心としてPicoとMarsilio Ficinoにおける「美」の概念を、プロティノスの「美」の概念の解釈をめぐって問題にした。次いで若桑みどり氏が「ミケランジェロの作品あるいは同時代の芸術における〈ハシゴ〉の図像とそのプラトン主義的意味について」と題し、ミケランジェロの初期の作品「階段の聖母」における階段の図像学的意味をルネサンスの新プラトン主義の影響に求める報告をした。最後に根占献一氏が「ルネサンスの幸福論-フィチ-ノスにおけるフォルトゥ-ナとフェリキタ-ス-」と題して、ルネサンスにおけるFortunaの意味をGiovanni Rucellai,Machiavelli,Alberti,Lorenzo de'Medici、そして特にFicinoなどの見解を通して明らかにしようとした。三氏の報告に対して質疑応答も活発に行なわれた。このように多数のしかも多方面のルネサンス研究者が一堂に会して研究会をもったのは、わが国においては初めてのことであると思われる。この他、11の研究発表欄に記したような研究成果が得られた。
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