研究課題/領域番号 |
01301006
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
佐藤 正英 東京大学, 文学部, 教授 (90083708)
|
研究分担者 |
菅野 覚明 東京大学, 文学部, 助手 (70186170)
黒住 真 東京理科大学, 工学部, 助教授 (00153411)
西村 道一 茨城大学, 人文学部, 助教授 (30114599)
高島 元洋 お茶の水女子大学, 文教育学部, 助教授 (90127770)
相良 亨 共立女子大学, 文芸学部, 教授 (00011263)
|
キーワード | 日本倫理思想史 / 歎異抄 / 御伽草子 / 伊藤仁斎 / 人倫 / 宮沢賢治 / 弓道 / 漢字 |
研究概要 |
最終年度にあたる本年度は、前年度の作業の継承及び成果のとりまとめを行なった。 1.近世儒教思想に関しては、仁斎学派関係の資料収集及び定期研究会を実施した。この内、仁斎思想の根本問題については相良がこれを整理した(報告書参照)。また、近世人倫思想一般については、高橋が中村陽斎、高島が山崎闇斎、菅野・黒住が全般的問題をそれぞれ思想像としてまとめた(業績一覧及び報告書参照)。 2.近代思想関係では、宮沢賢治解釈をめぐって、従来の農民芸術家像と宗教者像とを総合するあらたな賢治像の構築を八木が提唱した。また佐藤は、物語論を近代文芸思想に適用する可能性を、坂口安吾をケ-ススタディ-として模索した(業績一覧及び報告書参照)。 3.近世隠遁者については、主に俳諧関係の資料を収集・整理し、近代的自我発生の問題と関連づけて考察を加えた。この研究は、将来一般研究として独立に探求の対象とすることを計画している。この研究の展望の一部は、菅野が本居宣長論の部分として発表した。 4.前年度に実施した『御伽草子』研究を、座談会及び巻末資料を充実させた上で、論集として公刊した。座談会では、国文学・国史学の研究者と、思想資料解釈の上での方法的問題点について突っこんだ議論が展開された。その際、主に非文字資料の扱いをどうするかという点に問題が集中した。(詳細は論集『御伽草子ー物語・思想・絵画』を参照)。 5.各分担者が、それぞれの専門領域で、指標となるべきテキストの研究を行なった。魚住の弓道研究、吉野の漢字資料研究、その他協力者の親鸞及び平家物語の研究などがそれである(報告書参照)。
|