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1989 年度 実績報告書

日本美術のイコノロジ-的研究-外来美術の日本化とその特質-

研究課題

研究課題/領域番号 01301008
研究機関神戸大学

研究代表者

百橋 明穂  神戸大学, 文学部, 助教授 (30090377)

研究分担者 石崎 勝基  三重県立美術館, 学芸員
中部 義隆  大和文華館, 学芸員
石川 知彦  大阪市立美術館, 学芸員
神原 正明  佐賀大学, 教育学部, 助教授 (60177780)
池上 忠治  神戸大学, 文学部, 教授 (70030509)
キーワードイコノロジ- / 図像(イコノグラフィ-) / 仏教説話画 / 意味・解釈 / 垂述美術 / 浮世絵 / 風俗画 / 琳派
研究概要

日本美術史の各時代・各ジャンルにおいて実証的に、同一モティ-フや同一図像の意味の内容を検討するために、各グル-プ毎に研究に入った。まず、七月研究費が交付されるとすぐに、第一回目の研究打合せ会を行い、研究費の使い方と共にこの間の研究方針を各自がもち寄って調整した。その後、各グル-プないし各個人毎に研究調査活動に入った。主として日本の古代・中世を担当する百橋・石川・中部・奥平は、東京国立博物館や福岡市美術館において作品の綿密な調査を実施し、又大阪市立美術館において、光学的機器をも用いた調査を行った。主に仏教図像とその変容を追求し、垂述絵画や仏教絵画に見られる諸尊集会図や集合図像の問題や異種図像間での組合せや交流の実態を具体的な作品に検証した。又中・近世では、平面的・装飾的と思われる琳派の華やかな視覚的世界にも、本来の意味をもつ古い図像的世界からのいわば本歌取りが随所に見出されることが指摘された。木版刷の和歌巻が実は木版刷の嵯峨本を通じ、中世の能の世界からの又朝鮮・中国からの木版下絵装飾の追求・形の美しさと思われていた琳派芸術も、伝統のイコノロジ-の出所を考慮に入れることにより、より大きなワク組の中で評価されるとされた。さらに日本の近世の風俗画は正に、日本の古典文芸の世界からの本歌取りと、そのあやしげな遊星へのパロディ-であり、最も卑わいなものと最も高尚なものとの大逆転こそが、本研究のイコノロジ-的研究の方法論のポイントの一つである。そのような表面の解釈と背景にある古典文芸を基礎とするイコノロジ-との裏の解釈とのカ-ドめくりをいくつかの作例を通じて実証した。一方近代・現代の西洋絵画の輸入・導入による日本近代絵画のイコノロジ-変容については、全く従来にない視点だけに多くの困難があり、各グル-プの試行錯誤が報告され、大胆な試論の展開が期待された。そして1月に入り第2回目の会合を開き研究成果と途中経過を報告を行った。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 中部義隆: "沃懸地青貝金貝蒔絵群鹿文笛筒" 季刊美のたより 大和文華館. No.85. 6-7 (1990)

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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