研究課題/領域番号 |
01301011
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
心理学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
鳥居 修晃 東京大学, 教養学部, 教授 (50015012)
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研究分担者 |
木村 英司 東京大学, 教養学部, 助手 (80214865)
長谷川 寿一 帝京大学, 文学部, 助教授 (30172894)
下條 信輔 東京大学, 教養学部, 助教授 (70183837)
鹿取 廣人 帝京大学, 文学部, 教授 (80012300)
河内 十郎 東京大学, 教養学部, 教授 (30083710)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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キーワード | 信号系活動 / 先天盲開眼受術者 / 発達遅滞児 / CO中毒後遺症 / 斜視弱視 / 視覚障害 |
研究概要 |
開眼受術者・弱視者班,発達遅滞班,脳損傷者班はそれぞれの事例について、信号系活動の崩壊状況を探りつつ、その成立を図る実践研究を2年間にわたって試みた。その主たる成果は次の通りである。 (1)角膜移植手術を左眼(前年度)と右眼(今年度)に受けた先天性角膜被覆症の少女について、色彩・形(2次元と3次元)の識別活動の促進化を図るとともに、視覚的定位活動ならびに手と眼の協応活動の発現を促す輔生処方を試みた。その結果、前二者の活動に関しては著しい進展をみられるまでになったが、手と眼の協応については未だ十分とはいえない状態にある。また、事物と顔の認知も今後の課題である。 (2)誕生初期の脳災後遺症による障害児に対して、顔の認知ならびに構成課題、位置・方向の認知課題を通して一連の学習訓練を行った。その結果、(1)顔の認知に関して改善がみられたが、構成課題についてはまだ十分ではない。(2)位置・方向についてはかなりの改善を生じた。 (3)斜視弱視児、脳性マヒ事例、脳内出血を起こして斜視を生じた少女について、両眼視機能の障害状況を探り、その回復・形成を図る試みを継続した結果、視差条件によっては両眼立体視が発現することに至った。 (4)脳損傷事例についての実践研究を通して、(1)右半球の後膨大部皮質の損傷により、空間記憶の選択的障害がおこることを明らかにし、古くからいわれている記憶回路との関係を検討した。また(2)失語症者の象徴機能を非失語痴呆患者と比較し、重度失語症者でも象徴機能が保たれている例があることを確認した。(3)CO中毒により皮質盲に近い状態だと診断された事例について、その視野障害の構造特性を明らかにするとともに、その色覚障害の様相を分光感度の測定や各種波長光への色名呼称課題を通じて解析した。
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