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1989 年度 実績報告書

東北村落におけるイエ・ムラの今日的課題-戦後における変容についての実証的供研究-

研究課題

研究課題/領域番号 01301015
研究機関山形大学

研究代表者

舛田 忠雄  山形大学, 教養部, 教授 (10004110)

研究分担者 矢内 諭  東北工業大学, 助教授 (30042261)
松村 和則  筑波大学, 体育科学系, 講師 (70149904)
松岡 昌則  秋田大学, 教育学部, 助教授 (70111242)
多々良 翼  宮城学院女子大学, 教授 (20073306)
青木 辰司  秋田県立農業短期大学, 助教授 (50141073)
キーワード家 / 家連合 / 村落構造 / 後継者 / 家産 / 生活互助 / 高齢化
研究概要

我々は研究会を重ね、イエを構成する諸要素のうち、物質的非物質的な両者の意味における家産を、その最も重要な要素として設定し、両者の意味における家産の存在が家族に対して有する意義の如何がイエの性格を決定すると理解した。いずれの調査対象地にあっても、最も重要な家産である農地は当該家族の生活に対して有する意義を低下させ、したがって農地を前提とした家業としての農業を継承しようとする意識は稀薄化している。しかし、非物質的(精神的)な意味における家産の継承に対する期待は存在する。今日見られるところの直系家族の存在、あるいは後継者を目的としたものではなく、老親の扶養を必要とする叫びは、来の意におけるイエの存在、あるいはイエの継承を目的とした同居であり、またその必要性からの後継者確保の要求であると理解することもできる。しかし、観念としてのイエ意識の存在は、現実としてイエがいまだ変容の過程にあることを意味する。
一方で、各農家の経済的自立性は高まり、個々の家族の生活の相互互助を目的とした村落における諸結合は、あるいは解体し、あるいは機能別に分化し、さらに個人を媒介とする結合に再編されたことも、各調査地に共通の事実であった。しかしながら、本家・分家間において、あるいは親族関係の家々のあいだにおいて、日常的な交際や慣習が残存し、さらには村落における生活で極めて重要な葬儀あるいは婚礼等にあっては、依然として村落そのものが互助組織を維持している。イエ連合が村落生活に対して有する意義は今日でも存在することが明らかになった。

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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