研究分担者 |
波平 勇夫 沖縄国際大学, 文学部, 教授 (80088757)
小谷 典子 山口大学, 人文学部, 助教授 (60117083)
山本 剛郎 関西学院大学, 社会学部, 教授 (90068742)
内藤 辰美 山形大学, 教養部, 教授 (00064098)
金子 勇 北海道大学, 文学部, 助教授 (50113212)
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研究概要 |
平成3年度の研究実績は、大きく3種類の項目に分けられる。 第1は各研究分担者が,それぞれの分担課題について,補充調査を実施し,過去2年間にわたる調査研究の成果を,最終的に修正しまとめるという作業である。この補充調査の成果が,最終報告書となってあらわれたことはいうまでもないことである。したがってこの面にかんしては従来の作業内容や方向が,ほゞそのまま維持されたものである。 第2は研究代表者が若干の協力者の協力を得て続行した,大牟田市・水俣市を主対象とする企業城下町における市民都市化の条件の研究である。大牟田市については,独得の「地域公民館」と称する地域住民組織が,行政末端機構ともなっていながら,自治的な市民組織として機能していないことが,詳細に明らかにされ,地域類型別に市民組織化の可能性が問われる段階である。水俣市については,水俣病裁判が和解の最終段階に近づき,熊本県・水俣市の姿勢に転換が見られるなか,「水俣国際環境会議」が開催されることとなった。これは大きな一つの段階となる可能性をもっていた。市民都市化の条件として,ネットワ-ク型サ-クル集団のみでなく,地域団体そのものが活性化すべきである,また機能別の諸団体も活性化すべきであり,それらが結局のところチッソの工場側および労組側の主体的に参加の形での,水俣活性化へのコミュニティ形成が展望された。 これに関連して,ちがう型の企業城下町延岡市の概況調査と,災害時への対応としての都市の観察として島原市の概況調査を実施した。 第3は全分担者がほぼ最終報告の原稿を持ち寄って,研究会をもち,全員の研究成果を詳細に討議しあった。その結果が別冊の報告書である。本研究は今年度を以てひとまず終了するが,別紙に最終年度の総括を示したように,多大の知見を得たと評価している。
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