研究課題/領域番号 |
01301027
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
小林 淳一 福岡大学, 人文学部, 教授 (20113243)
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研究分担者 |
三隅 一百 九州大学, 教養部, 助教授 (80190627)
佐藤 嘉倫 横浜市立大学, 商学部, 助教授 (90196288)
都築 一治 流通経済大学, 社会学部, 助教授 (20180028)
白倉 幸男 北海道大学, 文学部, 助教授 (20135643)
久慈 利武 三重大学, 人文学部, 教授 (40024484)
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キーワード | フォ-マライゼ-ション / 数理モデル / デリベ-ション / メカニズム |
研究概要 |
昨年度にひきつづき、今年度も研究会活動および個人での研究をとおして、各自が分担するテ-マにとりくんだ。とりわけ各自が草稿をもちより報告した研究会における討議は、萌芽的なアイディアを育て、活字にできる成果を生みだした点で、きわめて有益であった。研究会における討議なしでは、われわれはおそらく興味深い数理モデルを展開し、そのデリベ-ションを吟味することはできなかったであろう。 われわれの成果の一部は、報告書『社会学における理論と概念のフォ-マライゼ-ション』(全部で9本の論文が収められている)として公表された。そこではとくに、微分方程式やゲ-ム理論のような伝統的手法に工夫を加えるだけでなく、グラフ理論やブ-ル代数などの適用にも新機軸をだすように努力してみた。さらに伝統的な社会学をとりあげ、フォ-マライゼ-ションの効用を具体的に示すことにも留意した。たとえば小林淳一は、マ-トンによる「予言の自己成就」をとりあげ、これまで曖昧なままに残されていた概念的および理論的問題にとりくんだ。その結果、予言の自己成就とエディプス効果の違いを明らかにし、予言が自己成就するメカニズムを微分方程式モデルにより指示している。また三隅一百は、グラフ理論を適用しながら、ネ-デルの役割論をフォ-マライズし、役割理論の可能性を切り開いている。このような作業をとおして、フォ-マルな研究こそが社会学の現状をブレ-ク・スル-する有効な方向であることを示しえたと思われる。
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