研究課題/領域番号 |
01301035
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
石堂 常世 早稲田大学, 教育学部, 教授 (50063748)
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研究分担者 |
松島 鈞 大正大学, 文学部, 教授 (90014662)
原 聡介 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (00032772)
中嶋 明勲 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (90089095)
田崎 徳友 福岡教育大学, 教育学部, 助教授 (10091224)
小野田 正利 長崎大学, 教育学部, 助教授 (60169349)
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キーワード | 道徳教育 / 人権教育 / 公民教育 / 価値教育 / 市民性育成 / 国旗・国歌 / ライシテ / ラシズム |
研究概要 |
当研究の初年度の研究実績としては、以下のような成果を得た。 まず、平成元年の7月15日と11月25日の2回、研究会議が開催されたが、研究分担者による研究計画・進展過程の発表のほかに、第1回会議では、尾上雅信氏により「第3回共和制確立期における学校教育の世俗化」の題意で特別発表が行われ、世俗的道徳教育の確立時における史的・理論的課題が論述された点、第2回会議では、1985年以来フランスの学校教育に再興された現行の「公民教育」の原理と実践について、現場のフランス人教師の意見をさぐるべく、リセ・フランコ-ジャポネの校長LABAT氏と、GRANIER教諭に参会を願い、フランス語での発表を受け、日本では貴重な実態的成果を得た点、を記したい。 第2に、研究代表者の石堂が、期を同じくして、日本学術振興会の派遣でフランスに出張し、「公民教育」の実態調査をしてきたために、具体的で実証的な研究の推進を可能ならしめた。またその際に、フランスで直接求めた関連文献は200点を越え、本研究の新展開のみならず、参考文献一覧の作成作業に大きなはずみをつけた。 第4に、半数にあたる5名の研究者(石堂、小川、尾上、田崎、中嶋)が、第1年度の研究報告としてまとめた論文を基に『中間研究報告書』を刊行、どう報告書に、わが国では初めての「フランスの道徳・公民教育に関する関係文献一覧」を掲載した。 第5に、1985年以降出版されている新編の「公民教育」教科書のスライドの一部を完了した。新傾向は、第三者にも明白となろう。 最後に、今次のフランスの「公民教育」を理解するには、漠然とした道徳教育の振興としてではなく、世界にひらかれた新しい国民としての市民の育成を、画期的な方針で推進している背景の追求が求められるほか、「人権教育」「歴史教育」「価値教育」の研究、かつ、「市民」citoyenという概念の研究の必要が急がれることが、確認された。
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