研究課題
3年計画の初年度であり、外国研究と国内研究の2班に分かれて次のような基礎的な研究を進めた。1.外国研究(1)イギリス、アメリカ、ドイツ、フランス、スイス、カナダ、中国、中南米の8か国における教員人事行政の歴史と現状を把握するための文献の収集を行い、イギリスについては1988年教育改革法に見られる人事制度の改革動向を究明した。(2)イギリスでは、1988年法によって、教員人事にかかわる大幅な権限が、学校の種別を問うことなく、学校理事会に与えられることになり、任命権についても制度上は地方教育当局にあるが、実質上の選考・決定権は理事会がもつことになった。2.国内研究(1)戦前と戦後における日本の教員人事制度の歴史的考察に着手するとともに、教員の人事異動に関する調査を実施して、その分析を行っている。(2)国内調査の目的は、人事異動の効果、学校種間異動の是非、採用候補者選考の在り方を含む人事行政全般についての改善に関して、教育委員会側と教員側の評価や意見の異同を把握し、学校の教育力の向上に寄与しうる教員人事行政の存り方を探究することにある。