研究課題/領域番号 |
01301040
|
研究種目 |
総合研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
文化人類学
|
研究機関 | 東京女子大学 (1990) 東京大学 (1989) |
研究代表者 |
大林 太良 東京女子大学, 現代文化学部, 教授 (20012263)
|
研究分担者 |
上野 和男 国立歴史民俗博物館, 民俗研究部, 助教授 (80062008)
小島 美子 国立歴史民俗博物館, 民俗研究部, 教授 (20183337)
岩井 廣實 国立歴史民俗博物館, 民俗研究部, 教授 (10110066)
松山 利夫 国立民族学博物館, 第一研究部, 助教授 (80111087)
佐々木 高明 国立民族学博物館, 第二研究部, 教授 (10031692)
|
研究期間 (年度) |
1989 – 1990
|
キーワード | 研究会 / シンポジウム / 動態的 / 生態学的な条件 / 政治・文化の中心 / 地域性 / 周囲諸地域との関係 / 研究視角 |
研究概要 |
平成2年度は平成元年度の研究実績を踏まえ5回の研究会、それからシンポジウム1回を実施した。個々の班別ではなく総合的かつ学際的な討議が行われた。ことに、シンポジウムに於にてはそれぞれの分野の研究の現状、問題点、将来の展望について、各班から選定した報告者による発表とコメンテーターによるコメントがあり、引き続き活発な討議が行われた。それぞれの分野において、静態的ではなく動態的に問題を理解しようとする見方が共通して顕著になっており、日本文化の地域差の原因となる諸要因がいかなるものであるかについての理解が深められた。単に生態学的な条件の違いばかりではなく政治・文化の中心が果たした役割が指摘され、いままであまり気づかれなかった地域的なグルーピングの存在も指摘された。一例をあげれば、日本文化の地域差のなかでも、先史時代から今日に至るまで継続してみられる東日本と西日本の区分にしても、弥生時代から古墳時代にかけての時期を見るだけでもその境界、内容がたえず変動しているのである。また、日本人に及び日本文字化における地域性の理解にためには単に日本の内部に研究を限定するのではなく、周囲諸地域との関係、従来以上の注目を払うべきことが共通の認識となってきた。最後に、日本人及び日本文化の地域性についての問題点の整理、新しい研究視角の登場、又伝統的な地域差がことに言語や文化において急速に失われつつある現状に鑑みて、より拡大した規模における本格的研究を早急に実施する必要がある、という点が今年度の共同研究の結論であった。
|