研究課題/領域番号 |
01301046
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
寺田 隆信 東北大学, 文学部, 教授 (80004034)
|
研究分担者 |
古畑 徹 東北大学, 文学部, 助手 (80199439)
船越 泰次 山形大学, 人文学部, 教授 (50006839)
諸戸 立雄 秋田大学, 教育学部, 教授 (20006521)
山田 勝芳 東北大学, 教養部, 教授 (20002553)
安田 二郎 東北大学, 文学部, 教授 (90036666)
|
キーワード | 士人 / 士大夫 / 庶民 / 貴族 / 科挙 / 教育 |
研究概要 |
当初の計画にもとずき、本年度はもっぱら資料の蒐集と整理を行った。すなわち、購入した「四庫全書」などから関係資料の蒐集につとめ、主として東京・京都の図書館からも多くの資料を集め、基本的資料の整理をほゞ終了した。各研究分担者はそれを利用して、分担課題の研究を深めつゝある。12月9日には連絡会議を開き、意見の交換を試みたが、席上、寺田は「士人の系譜と條件」と題する報告を行った。その要旨は以下のとおりである。-士人あるいは士大夫は、古代社会に天子・諸候・大夫・士・庶民の五階級があったという伝えにもとずく名稱で、士以上が支配階級として君主の統治を助ける存在であった。たゞ、漢代以前においては軍事的色彩が濃く、とくに軍隊の幹部、將と士族・世族あるいは単に士とよばれ、一般庶民と峻別されるにいたった。士族・士大夫はもともと、世々学問を絶たず、教養ある文化人として世間の属崇をうけたが、時代がくだるとゝもに、古い家柄を誇るだけで、無教養な士人もあらわれ、世人の軽視を招くようになった。こうした士人は唐の滅亡とともに姿を消し、宋代以後、家柄とは関係なく、個人の能力・教養のみを支えとする新しい士人が登場する。彼らは科挙制度と密接な関係をもち、そのために標準的な教育課程がつくられたが、その代表的な事例が、元初の「程氏家塾讀書分年日程」であり、清初の「思弁録輯要・讀書」である。-寺田はまた、資料の少ない庶民について、「中国の職人」を発表したほか、欧米の研究状況を紹介する目的で、Ho Ping-tiの「Ladder of Success in Imperial Chaina」の翻訳に着手している。
|