研究課題/領域番号 |
01301047
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
東洋史
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
安藤 正士 筑波大学, 歴史・人類学系, 教授 (90132977)
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研究分担者 |
三石 善吉 筑波大学, 社会科学系, 教授 (00011346)
中村 俊也 筑波大学, 現代語・現代文化学系, 助教授 (10015836)
野口 鐵郎 筑波大学, 歴史・人類学系, 教授 (20017726)
片岡 一忠 筑波大学, 歴史・人類学系, 助教授 (50092515)
妹尾 達彦 筑波大学, 歴史・人類学系, 助教授 (20163074)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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キーワード | 正統と異端 / 道徳主義 / 伝統中国 / 官僚制 / 異議申立て / 民主化 / 懲罰 / 中華 |
研究概要 |
本研究によって、以下の事が明らかにされた。 1広大な地域にわたる小農経済の上に皇帝が一元的な統治を行うには文人官僚の協力を必要としたが、そこで実際上の原理となりえたのは抽象的、形式的な、服従を至上とする道徳規範のほかにはなかった。この代償として、商業、技術の分化・発達が阻害された。 2中国史上、一元的な皇帝権力に服従するものは正当化されるが、服従しないものはすべて異端として抑圧された。伝統中国では、正統性は中国文化の優越性に支えられていた。 3現代中国において歴史上かって見られない、大規模な異端の抑圧がなされた。この異端抑圧のやり方は、伝統中国の方式とおなじで、最高権力に主張、政策からずれる、意見は抑圧され、その主張者は厳しく処罰された。現代中国では共産党主導の一元的支配が歴史上かって見られないほど徹底した。伝統社会で長期にわたり許容されていた宗教、風俗、習慣さえも抑圧・改造の対象となった。 4現在、経済発展と民主化をめざして、市場経済と社会の多元化がはかられている。しかも、現代では、経済的にも、政治的にも、文化的にも、中国は世界の一構成部分となったことにより、伝統的な正統観も転換を迫られている。
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