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1989 年度 実績報告書

前近代の西欧における生活史の比較史的研究

研究課題

研究課題/領域番号 01301050
研究機関九州大学

研究代表者

志垣 嘉夫  九州大学, 教養部, 教授 (80078831)

研究分担者 渡邊 昌美  高知大学, 人文学部, 教授 (60036522)
瀬原 義生  立命館大学, 文学部, 教授 (30066534)
里見 元一郎  清泉女子大学, 文学部, 教授 (70089267)
木村 尚三郎  東京大学, 教養学部, 教授 (80012269)
青山 吉信  日本女子大学, 文学部, 教授 (00060583)
キーワード生活意識 / 中世死生観 / 中世修道士 / 中世伝承 / 中世貴族 / 中世市民 / 十字軍 / 絶対王政
研究概要

平成元年度の本総合研究は、計四回の研究集会を行なった。本総合研究が西ヨ-ロッパ諸民族の文化の根幹を形成して来た生活の日常性をふりかえり、それぞれの生活様式・生活意識・民衆の心性などの諸局面をとうして西ヨ-ロッパ社会の比較史的に検討を深める視点に立脚しているだけに、現代ヨ-ロッパ社会の現状はあらためて西ヨ-ロッパ史再検討の課題の重要性を提起するところとなった。
木村尚三郎は生活史の課題と方法を論じるなかで、歴史的に形成されて来た地方の個性化と国家間の統合化、この両者の進行状況を文化と生活意識の視座におかれるべきことを強調し、ヨ-ロッパ人と日本人との間に横たわる「自然観」の違いも比較史の視座におかれるべきことを示した。生活史なる概念の定義については、研究分担者全員の問題意識を共有する意味からも、平成2年度においても論議を深めることとなった。
個別分野については、志垣嘉夫は、フランスにおける1960年以降の歴史人口学の研究の進捗を踏まえて、フランス革命以前に古い人口構造から新しい人口構造(死亡率の低下と出生率の増加)への転換があったことを説く旧説を批判した。渡辺昌美は、西欧中世の聖人、奇蹟、幻想を介して中世人の信仰のイメ-ジを豊かに描き、日本においてほとんど省みられるところのなかった領域にアプロ-チして、その成果は『中世の奇蹟と幻想』(岩波新書)として結実した。鯖田豊之は、「火葬の文化」を分析して日本とヨ-ロッパの死生観の変化をあとずけ、臓器移植との関連をも論じた。青山吉信は、聖界伝説をイングランドのグラストンベリにおいて論じア-サ-王伝説の所説を発展させた。里見元一郎は、世俗騎士団の起源を考察しつつ紋章学研究の持つ重要性を強調した。平城照介は、ドイツ留学の資料収集を基礎としてグルンドヘルシャフトの最近の研究動向を紹介した。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] 志垣嘉夫: "アンシアン・レジ-ム期の人口問題" 三省堂『フランス』(未刊). 513-534 (1990)

  • [文献書誌] 里見元一郎: "騎士道理想に挑戦する中世末期の教養人階層の立場について" 清泉女子大学人文科学研究所紀要. 11号. (1989)

  • [文献書誌] 鯖田豊之: "死生観-西と東" 東洋学術研究. 28巻4号. 79-92 (1989)

  • [文献書誌] 瀬原義生: "16世紀より18世紀にいたるヨ-ロッパの農民運動(翻訳)" 立命館文学(未刊). 512号. (1990)

  • [文献書誌] 渡邊昌美: "聖ヴェルナ-伝説とユダヤ人迫害" 週刊朝日百科・世界の歴史. 32号. -329 (1989)

  • [文献書誌] 木村尚三郎: "中世の街角で" グラフィック社, 157 (1989)

  • [文献書誌] 渡邊昌美: "中世の奇蹟と幻想" 岩波書店, (1989)

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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