研究課題/領域番号 |
01301051
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
麻生 優 千葉大学, 文学部, 教授 (80151067)
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研究分担者 |
早川 泉 東京都, 文化課, 学芸員
織笠 昭 東海大学, 文学部, 講師
萩原 博文 平戸市教育委員会, 主事
田中 英司 埼玉県立博物館, 学芸員
白石 浩之 神奈川県立埋蔵文化財センター, 主査
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キーワード | 神子柴・長者久保文化 / 池ノ原遺跡 / 細石器文化 / 丸ノミ形石器 / 縄文土器起源 / 大形石槍 |
研究概要 |
今回の総合研究Aのテーマに基づく、それを解明すべき遺跡の発堀計画を立てる。7月より、群馬県、栃木県、長野県、北海道、岐阜県各地の遺跡の分布調査を実施してきた。 その住果、岐阜県大野郡高根所在の池ノ原遺跡の発堀を実施することとなった。池ノ原遺跡は、旧石器時代終末期の細石器文化に属する遺跡である。発堀期間は収獲物と取り入れの終わる10月28日から11月5日と決めた。発堀期間は150m_2である。 調査の結果、表採資料の豊富さに比べて、出土した石器類は予想に反して、少なかった。石器はナイフ形石器、彫器、細石刃などであるが、細石核は一点も出土しなかった。遺跡の集中地点は2ケ所でみられたが、遺物分布は全体に希薄であった。今回の発堀調査では必ずしも十分な成果を上げたとは言いがたいが、池ノ原遺跡の資料は岐阜県下の数少ない細石器文化の一端を明らかにするとともに、日本列島のほぼ中央部における細石器文化の位置づけや、その系統を考える上で、一つの指標を与えたといえよう。 11月より、遺物整理を進めるとともに、関連調査として対馬の旧石器時代の調査、群馬県月夜野所在遺跡の調査を実施した。また、1990年2月より「細石器文化・神子紫文化」に関する研究会を実施し、次年度も継続の予定である。
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