研究課題
最終年度である今年度は、昨年度までの研究成果を踏まえつつ全体の研究目的達成に向けて各分担者がその役割分担に従え各自の作業を進め、一方では全体のまとめを目途して研究を進めて行った。その結果、所期の計画を十分達成し、一定の成果を得ることができた。1 昨年度までの研究成果の確認と反省を徹底的に行った。具体的には、分担者湯沢が筑波大学の代表者及び各分担者の研究経過と成果とを把握しつつ、他大学の研究者との、また逆に他大学と筑波大学との連絡調整に当たった。通常は電話や手紙でそれを行ったが、夏期期間には特にコンピュ-タ処理の問題について直接弘前大学に赴き小倉と情報交換を行った。なお、新しい情報や資料を求めて各自金沢大学で開催された国語学会や訓点語学会に出席して研鑽に努める一方、京都大学付属図書館等の図書館に赴いて資料調査の幅を広げた。2 コンピュ-タでの情報処理を所期の程度において完了し、弘前大学(小倉)と筑波大学(湯沢)とでデ-タベ-スを作った。弘前大学では中古漢字音資料として有用な『法華経』自体の詳細な反切・注等の索引を完成し、筑波大学ではその『法華経』の『韻鏡』をカテゴリ-とするデ-タベ-スを作った。後者については既に実際のデ-タを入力して試運転を行い成功した。今後は当研究者グル-プのみならず、広く日本漢字音研究者に配布し、各自の漢字音デ-タベ-ス作成に寄与させる予定である。3 上記の活動を行いつつ、広く国語学会会員や訓点語学会会員と意見交換をし、また新知識の吸収を心がけ、研究の漏れを防ぐよう努めた。4 研究成果は一定程度まとまったその都度、学会に報告した。(学会発表/湯沢質幸 訓点語学会1991、1)
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