研究課題/領域番号 |
01301063
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研究機関 | 国際日本文化研究センター |
研究代表者 |
中西 進 国際日本文化研究センター, 研究部, 教授 (90054460)
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研究分担者 |
金関 恕 天理大学, 教養部, 教授 (90068685)
井上 秀雄 樟蔭女子短期大学, 教授 (10091654)
吉田 敦彦 学習院大学, 文学部, 教授 (20054322)
尾形 勇 東京大学, 文学部, 教授 (90000611)
上田 正昭 京都大学, 教養部, 教授 (90026708)
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キーワード | 東アジア / 古代日本文化 / 死の思想 / 黒耀石の文化 / 仏教の伝来 / 沖縄の祭祀 / 弥生の生活形態 / 太陽信仰 |
研究概要 |
前年度にひきつづいて各班の調査研究を進め、あわせて最終的な成果のまとめとしてのシンポジユウムを行なった。 まず能登班は8月28日〜8月30日に実地調査を行なったが、今回は、とくに佐渡が島をふくめた北陸地方沿岸の地域をえらび、埋葬の形態、仏教および仏像の北辺におけるあり方、そして隠岐島との関係から黒耀石をめぐる文化交流、伝播を討議し、きわめて興味ぶかい収獲をえた。 つぎに対馬班は、対馬をめぐる周辺との関係から隠岐の島をふくめた山陰地方を重点として、11月3日〜11月7日に実地調査を行なったが、ここではとくに土井ケ浜遺跡の集落の形成条件、隠岐島の玉若酢命神社古墳群の成立過程、また上記佐渡が島と関係する黒耀石の産出などに大きな収獲があった。 また沖縄班は11月20日〜23日に宮古島の実地調査を行なったが、ここでは佐渡山安公氏を研究協力者に迎え、叩獄と集落の関連状態、井を中心とする生活について考察した。とくに狩俣は祭祀に合せて調査したが、神の出現や忌みごもりに十分な知見を加えることができた。 そして最後の仕上げとして12月15日・16日の両日、京都全日空ホテルにおいて「古代の祭式と思想ー東アジアの中の日本」をテ-マにシンポジウムを行ない、成果を公開した。基調報告を梅原猛が行ない、研究発表を吉田敦彦、金関恕、安田喜憲、上垣外憲一、古橋信孝、梅山秀幸、糸井通浩、尾形勇が行ない、中西進を司会兼パネラ-とし、上田正昭、井上秀雄、山折哲雄をパネラ-としてデイスカッションを行ない、律令の変容、仏教の渡来、太陽信仰、犠牲の問題をテ-マに立てて、東アジアにおける日本古代の文化がどのように形成され、どのような特質を育てていったかを明らかにしようとした。なおこの成果は書物の形として世に問うこととし、さらに海外研究者との交流の材料とすることにした。
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