研究課題/領域番号 |
01301072
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
大畑 篤四郎 早稲田大学, 法学部, 教授 (80063410)
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研究分担者 |
中村 義 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (10014739)
黄 昭堂 昭和大学, 教養部, 教授 (50150644)
池井 優 慶応義塾大学, 法学部, 教授 (50051363)
後藤 乾一 早稲田大学, 社会科学研究所, 教授 (90063750)
河原 宏 早稲田大学, 理工学部, 教授 (80063387)
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キーワード | 日韓関係 / 大陸経営論 / 南進論 / 民間アジア主義者 / 植民地 / 日本軍政 / 軍部 / 享亥革命 |
研究概要 |
本研究グル-プは二年度目を迎えるにあたり、近代日中関係史および北東アジア近代史の専門家である中村義,吉村道男両氏を新たなメンバ-に加え、研究体制のより一層の強化をはかると共に、アジア諸地域・諸民族間の相互関係の位相をより明確に検証することを新たな課題とした。今年後の研究活動としては,設定された研究課題に沿って各メンバ-が,前年購入した最新の文献 デ-タをふまえた実証的な研究発表をほゞ毎月1回のペ-スで行なってきた。対象時期順にみるならば、まず大畑篤四郎は「朝鮮通信使から『征韓論』へ」と題して日韓双方の史料をふまえた報告を行ない、近代日韓関係の前史に光をあてた。 日本近代政治史専攻の立場から佐々博雄は、熊本国権党及び国民自由党の政治思想を九州の(明治期)政治文化との関連で把えると共に、そのアジア関与の構造を明らかにした。さらに中村義は、岸田吟秀ら三名の「アジア主義者」の思想と行動をふまえ、民間レベルにおける明治・大正期の日本の中国観、中国関与の特性を明らかにした。これらを対照的に、日本の公的レベルにおける中国を主とするアジアとの関わりについては、吉村道男が、「後藤新平の大陸政策」を取り上げ、日本の対外積極進出論の原基について問題提起を行なった。 一方,中国近代史専門家として藤井昇三は、「最近の孫文研究をめぐって」と題し、享亥革命80年目を迎える近年の内外の孫文研究の現状を詳にした。また東南アジアについては、早大教授中原道子氏を講師にまねき、シンガポ-ルの文化人劉抗の戦時(日本支配)体験の思想化、歴史化についての興味深い報告を得た。 こうした研究活動に加え、定例会合においては、本研究課題に関連した内外の研究動向、資料状況について情報交換を行なうと共に、今後の成果発表の方法、あるいは三年次以降の研究活動の方向についても議論を深めた。
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