研究課題/領域番号 |
01301073
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研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
津田 内匠 一橋大学, 経済研究所, 教授 (50017654)
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研究分担者 |
服部 正治 立教大学, 経済学部, 教授 (10156359)
玉置 紀夫 慶応義塾大学, 商学部, 教授 (80051621)
熊谷 次郎 桃山学院大学, 経済学部, 教授 (30047972)
杉山 忠平 東京経済大学, 経済学部, 教授 (50021837)
小林 昇 大東文化大学, 経済学部, 教授 (10062390)
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キーワード | 国民主義経済学 / ナショナリズム / 自由貿易 / フランス革命 / 産業主義 / 穀物法 / 関税改革 / 歴史学流 |
研究概要 |
今年度は各研究分担者が調査・分析した各自のテ-マを、研究会で報告し、来年度のとりまとめに向けて、相互に素材と問題認識を共通のものとすることに力点をおいた。以下、各分担者の研究成果を記す。 小林はリストの経済思想の日本への受容と影響を検討し、さらにインドや中国への伝播の事情にかんする西ドイツの研究を批判的に紹介した。 杉山は西洋経済思想と生成期の近代国家日本のナショナリズムの遭遇の一面として、黎明期の実業教育と最初の一有限責任会社の発足の事情を一次資料であとづけた。熊谷はコブデン・クラブとマンチェスタ-派の文献資料を収集し、それらの思想の「東京経済雑誌」への影響を調査し、韓国の啓明大学で報告した。玉置は日本における外国銀行の研究がスコットランドに負うところ大であることを究明し、スコットランド銀行の中心人物C.ゲアドナ-を研究した。服部はマカロックの土地所有・農業問題についての議論を検討し、併せて今世紀初頭のイギリスの関税改革論争、ドイツで関税改訂との関連を検討した。 西沢はアシュリ-、ヒュインズ等イギリス歴史学派を、経済学の制度化の問題とともに、国際的視野のなかで研究した。高橋は19世紀半ばのアメリカの経済的ナショナリズムを代表するケアリの保護主義論の内実は共同体と個人の自立と自律的発展を説くアメリカ「市民社会」論であることを解明した。奥田は18世紀半ば、英仏経済学を文明論として受容したイタリア啓蒙がフランス革命の影響下で解体し、ナポレオン時代に再編・制度化される経過を分析した。一條はドイツ後期の歴史学派がJ.S.ミルを批判的に受容する過程を資料的に検討した。 津田はフランス革命前・革命期・ナポレオン時代を通じて、フランス産業主義と産業保護主義がイギリスとの対抗関係のなかで、ヒュ-ム、タッカ-、スミス、スチュア-トを受け入れつつ展開する経過を論じた。
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