研究課題/領域番号 |
01301079
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
中川 信義 大阪市立大学, 経済研究所, 教授 (70047158)
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研究分担者 |
末廣 昭 大阪市立大学, 経済研究所, 助教授 (60196681)
河合 和男 奈良産業大学, 経済学部, 助教授 (00186040)
森澤 恵子 大阪市立大学, 経済研究所, 助教授 (60137180)
西口 章雄 同志社大学, 商学部, 教授 (70066132)
奥村 茂次 奈良産業大学, 経済学部, 教授 (30046974)
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キーワード | アジア新工業化 / 日米経済 / NIES / 多国籍企業 / 貿易摩擦 / ジャパンマネ- / 対外直接投資 / 政府開発援助 |
研究概要 |
本年度は月2回の定期研究会と並行しながら、4月の劉進慶・〓照彦両教授によるNIES、台湾経済の研究報告に始まり、5〜6月の自動車の研究者や電気・電子関連企業の経営実務家による報告、7月のボ-ト・ピ-プルの漂着相次ぐ長崎県五島での研究会合宿を経て、9〜12月の研究成果の論文化、相互批判・調整、90年1〜2月の中国人研究者による中国の開放政策、ソ連・東欧問題の専門家によるソ連・東欧の経済改革など、現代世界経済のすべての問題領域を取り上げた。また、関西系電機メ-カ-からのヒアリングもおこなった。 本年度の最大の研究実績は、大阪市立大学経済研究所編集の『アジア新工業化と日米経済』(東京大学出版会)の執筆・刊行であり、各研究分担者の研究成果をここに集大成した。その概要は次の通りである。まず1章では、ジャパン・マネ-、企業の海外進出、貿易による資本財・部品供給、以上のアジア新工業化に果す役割を解明する。2〜5章ではアジアNIESの韓国、ASEANのタイ、フィリピン、南アジアのインドの4カ国の多様な経済発展、新工業化を考察する。すなわち2章では、貿易構造の変化を通して韓国の新工業化を、3章は外国資本、とくに日本資本の対タイ投資ラッシュを通してNIES型工業化への転換を、4章は政府開発援助(ODA)を通してフィリピンの新工業化への条件、その胎動を、5章はインド経済の自由化政策を通してNIESともASEANとも異なる独自の新工業化をそれぞれ考察する。6章はアジア新工業化へのファイナンスと香港・シンガポ-ルの金融市場の独自な役割を解明する。7章は、日米貿易摩擦と対米直接投資の実態と展望を、8章は、1章との対比において、アジア新工業化とアメリカ経済との関連を検討する。
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