研究課題/領域番号 |
01301083
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
池上 惇 京都大学, 経済学部, 教授 (30025184)
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研究分担者 |
植田 和弘 京都大学, 経済学部, 助教授 (20144397)
田中 重博 茨城大学, 人文学部, 教授 (40091863)
保母 武鋭 島根大学, 法文学部, 教授 (70127497)
重森 暁 大阪経済大学, 経済学部, 教授 (70036581)
宮本 憲一 大阪立大学, 商学部, 教授 (30046891)
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キーワード | 地方税 / 税制改革 / 国と地方の財改革関係 / 提案13号 / コミュニティ・チャ-ジ / 土地改策 / 土地税制 / 財産税 |
研究概要 |
1.研究目的からみた到達度 本年度はアメリカ合衆国、カリフオルニア州における提案13号を出発点とする地方税制改革問題を合衆国、イギリスを中心とする西欧社会の税制改革とのかかわりで検討しつつ、それらの内容をアジアを中心とする開発途上国の税制改革や日本の現状と比較し、現代地方税制改革論の現実性を検討することに重点をおいた。 合衆国においてはJ.カ-リンらの研究で示唆されているように地方団体における財産税の減税は、地方団体の財政赤字を増大させる圧力をつくりだし、一方では、連邦財政への依存度を高めて、地方独自の施策を困難にするとともに、他方では、州と市町村の財政関係を密接化して市野村の独自な財政活動を困難にしている。イギリスにおいても伝統的な財産税であるレイトの廃止と一種の人頭税であるコミュニティ。チャ-ジがスコットランド地方において導入せられ、税制は標準化と画一化への傾向を強め、歳出計画の地方における独自性は多くの制約に直面している。これに対してアジアを中心とする開発途上諸国は税制改革の重点が土地の公共的利用や資産集中抑制のための手段として積極的に活用されており、台湾・韓国における土地税制の展開がとくに注目される。 西欧と途上諸国まおける地方税改革の重点の相異は本年度の研究における到達点であり、この差をどのように理解するかは今後の課題である。 2.日本における地方税改革の特徴点 以上の点から日本にかける地方税制改革の動向をみると、日本においては、国の税制改革の地方への影響(一般消費税の導入)と地価高騰にともなう土地税制改革の課題が問題とされ、西欧型と開発途上国型の双方にかかわる改革問題が同時に進行しつつあり、一層の解明が必要である。
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