研究課題/領域番号 |
01301087
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
武田 隆二 神戸大学, 経営学部, 教授 (80030708)
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研究分担者 |
西村 幹仁 神戸大学, 経営学部, 助教授 (40115754)
岡部 孝好 関西大学, 商学部, 教授 (60067676)
谷 武幸 神戸大学, 経営学部, 教授 (00030718)
牧戸 孝郎 名古屋大学, 経済学部, 教授 (60022464)
小林 哲夫 神戸大学, 経営学部, 教授 (90030709)
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キーワード | 企業パラダイム / 情報システム / パラダイム変革 / 規約先行型革新 / パラダイム先行型革新 / 経営コンステレ-ション / コンピュ-タ・システム / 経営戦略 |
研究概要 |
平成元年度の研究実績の概要は、次の通りである。 1.企業パラダイムと情報システムとの関連を問う視座について、企業パラダイムを単なる文化的理念として、情報システムを単なる技術的体系として把握するのではなくて、(1)パラダイム(共通の価値規範)、(2)システム、および、(3)マネジメントの三つから構成される、経営コンステレ-ション(business constellation)という動的な均衡関係を示したうえで、その空間的・時間的秩序体系のなかに、これら三者の関わり合いを示すという視座を新たに構築したことである。 2.企業パラダイムと情報システムとの関わり合いに対する仮説設定について、実証的に検証しようとする仮説として、〔I〕型仮説「規約先行型革新」:コンピュ-タの新たな導入または既存システムから新規システムへの移行に伴って、コンピュ-タのもつ情報処理機能の特性によって、管理システムや管理コンセプト自体までも変えてしまい、それによって新たな企業パラダイムの創設をもたらし、あるいは企業パラダイム実現の一層の拡充をもたらすような革新、および、〔II〕型仮説「パラダイム先行型革新」:新たな企業パラダイムの成熟や経営戦略の転換によって、既存のシステムでは十分それに適応できないことに伴い、新たな情報システムへの変換を試みることによってなされる革新、以上二つの新仮説を設定したことである。 3.これら二つの仮説について、両者ともに実際の企業活動の中に見いだされ、仮説が実証された。本研究を通じて、かかる二つの仮説が実証された意義は極めて高いと考えられる。 また、これら二つの仮説とは別に、企業のパラダイム変革が経営組織の再編成を促し、それによって情報システムが変化するという仮説が新たに実証的に発見・確認された。さらにこれらの仮説実証に基づき、企業パラダイムの変革と情報システムの変化との関係を説明する理論モデルが構築されたことも、研究成果として特筆すべきものである。
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