研究分担者 |
西村 幹仁 神戸大学, 経営学部, 助教授 (40115754)
岡部 孝好 関西大学, 商学部, 教授 (60067676)
谷 武幸 神戸大学, 経営学部, 教授 (00030718)
牧戸 孝郎 名古屋大学, 経営学部, 教授 (60022464)
小林 哲夫 神戸大学, 経営学部, 教授 (90030709)
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研究概要 |
本研究は,標記の研究課題について,個別の企業を調査対象として,企業パラダイムと情報システムとの相互関係を研究することを課題とした。本研究を推進する過程で,企業パラダイムと情報システムとの相互的影響の関係に対し,次の三つの仮説を設定し,それらを実証的に検証することに本研究の狙いがおかれたのである。〔1〕型仮説:規約先行型革新コンピュ-タの新たな導入または既存システムから新規システムへの移行に伴って,コンピュ-タのもつ情報処理機能の特性によって,管理システムや管理コンセプリ自体までも変えてしまい,それによって新たな企業パラダイム実現の一層の拡大をもたらすような革新〔2〕型仮説:パラダイム先行型革新新たな企業パラダイムの成熟や経営戦略の転換によって,既存のシステムではそれに十分適応できないことに伴い,新たな情報システムの転換を試みることによってなされる革新〔3〕型革新:スタッフ・アップ・ダウン型革新業務組織の拡大と広域化に伴い,情報資源を管理調整するための情報統轄室を組織に組み込み,その役割行動が一方で企業パラダイムの変革に働きかけ,他方で情報システムの機能的改革をもたらすような革新また,本研究では,パラダイムには,一企業全体についてのパラダイム(全体パラダイム)の他に,企業内におけるサブの性格をもつ各業務領域におけるパラダイム(部分パラダイム)の成立することが明らかになった。これらの部分パラダイムは,比較的短い期間内に並行的な流れとして現れるところに特徴がある。なお,パラダイムの衰退曲線と成熟曲線にはいくつかのパタ-ンのあることが明らかになった。実際の企業の調査を通じて,次に示す3類型の存在を特定した。(1) パラダイム一体的連続型シフト・モデル (2) パラダイム継時的連続型シフト・モデル(3) パラダイム非連続型シフト・モデル我々の調査によると,上記の規範的4類型内で,実務上の一般的なパタ-ンとなるものは,パラダイム継時的連続型シフト・モデルといわれるもので,されにその現実的モデルとしてのパラダイム衰退曲線は個人心理と組織心理との関わり合いでs字型の経過を辿ることから,それをs型効果と名付けた。
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