研究課題/領域番号 |
01301089
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
森島 賢 東京大学, 農学部, 教授 (50113634)
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研究分担者 |
小林 弘明 農林水産省/農業総合研究所, 研究員
沢田 裕 北星学園大学, 経済学部, 教授 (10118119)
沢田 学 帯広畜産大学, 産馬学部, 講師 (60142791)
茅野 甚治郎 宇都宮大学, 農学部, 助教授 (40163729)
長南 史男 北海道大学, 農学部, 助教授 (00113697)
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キーワード | 農業構造 / 輸入自由化 / シミュレ-ション / 低迷価政策 / 生産調整 / 需要分析 / 産業連関分析 / 在庫変動 |
研究概要 |
農業を米と畜産の2つの部門に分けて研究した結果、次の知見を得た。1.米に関する諸政策を米価政策、生産調整政策と輸入政策とに分け、それぞれが農業構造に及ぼす影響について研究した。その結果次の結論を得た。 (1)低迷価政策が、農業構造を構成する各階層に及ぼす影響をみると、基幹的労働力を主とする大規模階層に対する影響が強く、規模拡大意欲を阻害する。 (2)米の生産調整政策について近年の米需要の減少、単収の増加を前提とした場合、現在の減反面積と期末現在量を持続すると、作柄の豊凶変動によって10年に1回程度の頻度で輸入せざるを得なくなる。 (3)米を国内需要量の10%輸入すると、国内雇用量のうち約27万人の失業を生ずることが産業連関分析の結果判明した。 2.牛肉の輸入自由化を1年後に控え、輸入枠を大幅に拡大していて、最近は輸入肉の市況は軟調となり、輸入枠を消化しきれない状況にある。また、それにもかかわらず和牛肉の市況は堅調である。これらが農業構造に及ぼす影響を研究し、次の結果を得た。 (1)和牛経済の堅調の理由は、国内生産者が輸入牛肉との品質競争において強気になっていることである。 (2)この堅調は今後しばらく続くが、ビ-フ・サイクルによって近い将来軟調に転ずると思われる。その際、乳用種牛肉の生産、つまり酪農部門に対して影響を及ぼす。 (3)輸入自由化によって、高齢労働力を主とする繁殖経営が一部徹退するなど農業構造への影響が予想されるが、なお今後の研究課題である。
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