研究課題/領域番号 |
01301094
|
研究機関 | お茶の水女子大学 |
研究代表者 |
栗原 尚子 お茶の水女子大学, 文教育学部, 助教授 (80017623)
|
研究分担者 |
久武 哲也 甲南大学, 文学部, 助教授 (70108968)
山野 正彦 大阪市立大学, 文学部, 助教授 (20094493)
千田 稔 奈良女子大学, 文学部, 教授 (20079403)
野澤 秀樹 九州大学, 文学部, 教授 (00036998)
中川 浩一 茨城大学, 教育学部, 教授 (60015930)
|
キーワード | 明治前期 / 地理学史 / 地理学史年表 / 制度化 / 受容 |
研究概要 |
本年度は、研究課題に関する史・資料の収集と各研究分担者の研究テ-マについての研究成果の報告・討論を行う研究集会の開催を中心とした。研究集会は、89年9月に東京にて、90年1月に松本にて開催し、以下の報告がなされ、内容をさらに深化させるべく討論がなされた。「明治前期の「地球儀問答」教科書及びその他の世界地理教科書に描かれたアジア・アフリカ記述について」(寺本潔)、「イギリス地理学の制度化:オックスフォ-ド大学とケンブリッジ大学の場合」(金安岩男)、「"西洋の没落"・恐慌・ヨ-ロッパの統一:アルベ-ル・ドゥマンジョンのもう一つの地理学」(野澤秀樹)、「ポスト・モダン地理学の動向」(永内俊雄)、「1920・30年代ドイツ地理学における〈景観〉論再考」(山野正彦)、「徳川昭武欧州巡歴の道程:アルプスに初めて登った日本人」(中川浩一)、「明治の文化地理学:ある農民の日記から」(久武哲也)、「V.コ-ニッシュと〈波〉学問・地理学・風景学」(長谷川孝治)、「寸法の吉凶と〈地理〉思想」(小口千明)、「地理的証検をした明治のドイツ留学の工学士たち」(中川浩一)、「IGU地理思想コミッションと90年北京におけるIGCについて」(栗原尚子)。以上の報告・討論の中から、今後の課題として、お雇い外国人教師による地理教育(とくに高等教育において)、明治前期の地理学に関する出版・ジャ-ナリズムについてより研究を進めることの必要が確認された。前者はとくに近代地理学の受容にかかわる問題であり、さらに伝統的な蘭学における地理学の研究状況をフォロ-することも重要となる。 年表を作成するための具体的作業として、まず既存の史・資料をもとに事項をカ-ド化することにとりかかった。コンピュ-タを利用したデ-タベ-ス化は、各事項の一次資料による書況学的研究を踏まえて、次年度の研究課題となる。
|