研究分担者 |
寺本 潔 愛知教育大学, 教育学部, 助教授 (40167523)
源 昌久 淑徳大学, 社会福祉学部, 専任講師 (80104826)
久武 哲也 甲南大学, 文学部, 助教授 (70108968)
山野 正彦 大阪市立大学, 文学部, 助教授 (20094493)
野澤 秀樹 九州大学, 文学部, 教授 (00036998)
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研究概要 |
最終年度にあたるため,研究集会は、90年9月に京都にて1回開催した。報告内容は以下のごとくである。「戦前の地理教科書に収められた統計地図」(中川浩一),「日本の地理(学)書と中国近代化:翻訳書誌を通じて」(源昌久),「地図と“プリミティブ"ということ」(久武哲也),「子供の相貌的な空間知覚について:文学・手描地図・原風景画に表された諸相」(寺本潔),「A.ーdumazet,“Voyage en France"」(礒部啓三),「IGC北京大会地理思想史研究コミッションについて」(野澤秀樹)。以上の報告をもとに,内容を深化させるべく討論がなされたが、なかでも、近年の地理学研究の一つの潮流ともなったHumanistic Geography(人間主義的地理学)の研究実績をふまえて,地理思想にかかわる部分についてかなりの討論がなされたのは大きな成果であった。地図を手段とすることについて,「プリミティブ」という概念の検証,地図を描くというプロセスが重要であり,identityの確立になるのではないかということをめぐって討議された。 欧文の報告書を刊行すべく,論文執筆に努力がなされた。報告書は、これまで研究組織の多くのメンバ-が参加し、科研費の助成を受けて刊行してきた欧文報告書の第4集にあたるものである。欧文で刊行する理由は、メンバ-の多くが、国際地理学連合IGUの地理思想史コミッションのメンバ-であり,日本における地理思想史研究の成果を広く国際的にとい,地理思想史研究の一翼を担うためである。 明治前期の地理学史年表の作成は、重要事項のカ-ド化をまず既存の史・資料を基礎に作業を始めたが、その各事項の書誌学的検証を経た上での確定作業に多大の労力と時間を必要とし、計画に比して進捗は遅れ気味の状況である。
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