研究課題/領域番号 |
01302002
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
酒井 隆 岡山大学, 理学部, 教授 (70005809)
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研究分担者 |
加須栄 篤 大阪大学, 理学部, 講師 (40152657)
西川 青季 九州大学, 理学部, 助教授 (60004488)
市田 良輔 横浜市立大学, 文理学部, 助教授 (10094294)
佐藤 肇 名古屋大学, 教養部, 教授 (30011612)
丹野 修吉 東京工業大学, 理学部, 教授 (10004293)
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キーワード | 幾何構造 / 多様体構造 / 曲率と位相 |
研究概要 |
幾何構造と多様体構造については多くの研究者達がそれぞれの立場から種々の研究を行っている。幾何構造の中で特にリ-マン計量に関する計量不変量が考えられる。特に測度に関する不変量の間の関係を与えるものとして等同不等式やこれと類似の不等式があるが、酒井はクラインの壺の等径不等式の証明や、2次元球面の等径不等式についての結果を得た。また初等幾何におけるシュタイナ-の定理のアダマ-ル多様体への拡張が得られた。曲率と位相すなわちリ-マン不変量と多様体構造の関連についてはM.グロモフの一連の仕事が大きな影響を与えている。加須栄はグロモフの収束定理の証明を与え、これを応用して漸近的非負曲率開多様体の構造を研究した。これより漸近的に平坦な多様体に対するギャップ定理が得られた。また市田はリッチ曲率が非負の完備リ-マン多様体の中である性質をみたすコンパクト部分多様体を許容するものの構造を最大値原理を用いて調べ分解定理を得た。 次に他の幾何構造に関連して佐藤はリ-の球面幾何を一般の接触多様体上のG-構造の立場からとらえる視点を提唱し、田中の理論を適用した。 他方最近の幾何構造の研究において偏微分方程式等解析学の新しい方法を適用する方向がある。極小曲面や調和写像の研究はその例であるが、西川は幾何学的葉層構造の研究に熱方程式の理論を適用した。 なお本科研費により、最近の極小部分多様体における進歩についての研究会と幾何に現れる変分問題についての研究会を組織した。前者ではH.Karcher,E.Giusti,小磯による幾何学的な立場と解析的な立場から、極小曲面の総合報告が与えられた。後者では若い研究者達による解析的手法を用いた幾何構造と多様体構造の関連について講演者達の結果が報告された。いずれも参加者達には研究会資料を配布して、活発な質疑応答、討論があり有意義であった。
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