研究課題/領域番号 |
01302014
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
石亀 希男 東北大学, 科学計則研究所, 教授 (40006143)
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研究分担者 |
小林 迪助 新潟大学, 理学部, 助教授 (20018881)
石井 忠男 岡山大学, 工学部, 講師 (90033240)
大鉢 忠 同志社大学, 工学部, 教授 (40066270)
星埜 禎男 東京大学, 名誉教授 (40013453)
松原 武生 岡山理科大学, 理学部, 教授 (60025202)
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キーワード | 超イオン導電体 / 固体電解質 / イオン伝導 / 格子振動 / 電子・イオン混合伝導 / 格子力学 / 光散乱 / 構造解析 |
研究概要 |
本研究は、物理学、化学、工学等の学術分野でそれぞれ進められている、超イオン導電現象に関する研究を基礎物性の立場から見直し、問題点の整理と総合的討論により超イオン導電現象を支配しているメカニズムの解明を目的として計画されたものである。本年度(平成3年度)は、過去2年間(平成元年度、2年度)に行われてきた、超イオン導電体の諸物性の実験結果や理論的研究結果をまとめ、それらの研究を発展させるとともに、その本質に関する手がかりを整理し、今後研究分野が進むべき方向を検討した。そのための研究会を平成3年8月8日(木)と9日(金)の両日、東北大学川渡セミナ-ハウスにおいて開催し、「超イオン導電体の構造と動的性質」に関する研究発表(発表講演数:25)と討論を行った。「構造と超イオン導電性」の立場からは、化学量論的立場からの物質合成法や、光学的方法でミクロな構造を議論する新しい研究がみられた。「超イオン導電機構と各種物性」の立場でも、共鳴蛍光、ホ-ルバ-ニングといった量子エレクトロニクスの手法を用いて、これら物質群特有な不規則性の研究がなされた。このように、従来からの研究手段に加えて新しい方法が取入れらてきている。これは実験面だけでなく理論面でも同様で、例えば、分子動力学による計算にイオンコア-の効果を取り入れた研究がなされた。更に、超イオン導電性ガラスに関してもその合成やイオン伝導度の議論に加えて、光学的や力学的則定からミクロな立場でのイオン伝導機構が研究され、報告された。これら研究成果を元に問題点を整理し、検討を加えた結果、基礎物性に関する研究を充実するためには、よく制御された試料(例えば、清浄表面や界面を持つ超イオン伝導性薄膜や超格子)を開発し、それを用いたイオン運動の現象を研究すると共に、超イオン導電体を構成しているイオンのコア-電子の物性も併せて研究する必要性があるとの結論に達した。
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