研究分担者 |
周藤 賢治 新潟大学, 理学部, 教授 (50143748)
吉田 武義 東北大学, 教養部, 助教授 (80004505)
小笠原 憲四郎 筑波大学, 地球科学部, 教授 (20110653)
大槻 憲四郎 東北大学, 理学部, 助教授 (70004497)
大上 和良 岩手大学, 工学部, 教授 (60003878)
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研究概要 |
1.男鹿半島,阿仁合,盛岡市西方・脊梁山地東縁部,朝日山塊南縁部・小国盆地などでの地質・古生物デ-タが更新・付加された.その結果;(1)阿仁合グリン・タフにおける非海成層と海成層の区分ならびに基本的な層序関係,(2)脊梁山地東縁部の新第三系最下部層・飯岡層一幕舘層が男鹿の西黒沢層に対比され,それらの堆積場が極めて起伏に富んだものであったこと,(3)朝日山塊南縁部におけるハ-フ・グラ-ベンの形成過程とその形成期(22/23Ma〜17.5Ma),などが詳らかになった.これらの知見からすると,前期中新世の東北本州弧に数多く出現したハ-フ・グラ-ベンの形成は,広域的沈降をともないつつ進行したらしい. 2.東北日本のグリン・タフ地域に適応できる微化石年代尺度に関する最近の成果と問題点が総括された.台島層模式地の植物化石群(台島植物群)が再検討され,その特微が新資料に基づいて明らかになった.そして,広域対比における台島型植物群の有効さが明瞭になった.さらに,新生代東北本州弧の古環境変遷を知るために,貝類・珪藻・大型植物化石を用いた生物化石温度計の試みがなされた. 3.奥尻島の松江玄武岩類(31.3Ma)や青苗川層(19.7Ma),北上山地西縁部の稲瀬火山岩類(151,15.5Ma)などのK-Ar年代と,岩石学的性格が明らかになった.さらに,15Ma頃を中心として,その前後に比して相対的にK_2Oに富むマグマの活動が,東北本州弧の火山フロント側に存在いたことなど,東北本州弧における新生代火山岩組成の時空変遷が一層明確になった. 4.霊山層火山岩類などの古地磁気学的研究が行われ,この火山岩類がChron16の中頃に形成され,Chron16〜現在までの反時計方向の回転運動は小ブロックごとに異なっている可能性があることなどがわかった.
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