研究分担者 |
佐藤 比呂志 東京大学, 地震研究所, 助手 (00183385)
吉田 武義 東北大学, 教養部, 助教授 (80004505)
小笠原 憲四郎 筑波大学, 地球科学系, 教授 (20110653)
大槻 憲四郎 東北大学, 理学部, 助教授 (70004497)
大上 和良 岩手大学, 工学部, 教授 (60003878)
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研究概要 |
男鹿半島,出羽山地,脊梁域などの火山岩類ー堆積岩類について,層位学・火山地質学・堆積学・岩石学・構造地質学的研究を行い,加えて,古地磁気およびK-Ar年代測定等も行なった. 東北日本新生代後期のテクトニクスを,リフティング・ステージ(25?Ma-16Ma),脊弧海盆拡大ステージ(16-12Ma),遷移ステージ(12-3Ma),短縮変形ステージ(3Ma〜)の4つに大区分し,各々の特徴を提示した.フィリピン海プレートの遅い沈み込みが日本海の拡大をもたらしたとするモデルが提示された. およそ30Maから17Ma前後までの間に形成された火山岩相の産状記載や層相解析が行われ,陸上の火山活動から海底での火山作用に移行するまでの火山岩類の噴出・定置環境が明らかになった. 石灰質ナンノ・珪藻・浮遊性有孔虫・貝類・植物化石層位学的研究が進展し,ナンノ化石によって,日本海側の広範な地域から海成下部中新統上部が初めて確認されるなど,下部中新統上部以降の詳細な時代決定と対比が可能となった.そして,初期〜中期中新世における古環境や古生物地理の変遷,火山作用の地域ー時間的盛衰などが明かになった.台島型植物群の群しい検討は,その産出上限が14Maよりも古いこと,含有層準が対比の良いマーカーであることなどを明示した. 白亜紀から現世までの火山岩ーマントル組成の時空変化,火成作用とテクトニクスとの関係などが明らかになった.20Ma頃までの火山岩組成は第四紀の場合と同様,背弧側に向かいK_2O量が増加する変化パターンを示すが,その後次第に不規則となり,およそ17Ma〜14Ma頃に低アルカリ軸部が日本海東縁部に生じ,8Ma頃までに現在の島弧でみられる岩石組成の帯状配列に移行した.
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