研究課題/領域番号 |
01302019
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
青木 謙一郎 東北大学, 理学部, 教授 (00004276)
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研究分担者 |
藤巻 宏和 東北大学, 理学部, 助教授 (90133933)
石川 賢一 東北大学, 教養部, 助手 (20158744)
長谷中 利昭 東北大学, 理学部, 助手 (50202429)
吉田 武義 東北大学, 教養部, 助教授 (80004505)
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キーワード | アルカリ系列 / 非調和元素規格化パタ-ン / ソレアイト / 島弧火山岩 / Sr同位体組成 / Nb負異常 |
研究概要 |
日本列島新生代後半の代表的な火山岩類について主成分・微量成分について重量法、炎光法、原子吸光法、蛍光X線法、光量子放射化法、ICP発光法、ICPーMASS法や質量分析法などを併用して40種類以上の元素を定量した。また質量分析法によりSr,Nd同位体比を測定した。それらの結果のうち、精成果の顕著なもの幾つかについて記述する。 1、北九州呼子と壱岐地域アルカリ系列玄武岩類の非調和元素規格化パタ-ンは非調和度が高くなるにつれて連続的に規格化値が増加し、海洋島や大陸のものと一致し、一方先に噴出したソレアイト、高アルミナ玄武岩とカルクアルカリ玄武岩は島弧火山岩特有のBaとSr正異常とNb負異常を示す。これは時間と共にテクトニックな場の物理・化学的条件が変化したことを示す。 2、Sr同位体比についてみると上記地域の非アルカリ系列は0.7042〜0.7054、呼子のアルカリ系列は0.7040〜0.7045、壱岐のアルカリ系列は0.7037〜0.7043であって、非アルカリ系列が最も高く、またアルカリ系列では壱岐のものは呼子のものよりも高い。これらは明瞭に同位体比的にも上部マントルが不均一であることを示す。また粗面岩や流紋岩のSr同位体比は玄武岩のものとほぼ同一であり、一連の結晶分化作用によって生成したことを示す。 3、隠岐島後火山岩のSr同位体組成をみると、日本海拡大以前は ^<87>Sr/ ^<86>Sr比はほとんど0.707以上と非常に高く、その後徐々に低くなり5Ma頃まで0.706以上の値が続いた。5Ma以後は急激に低くなり0.705以下になった。また非調和元素規格化パタ-ンにおいてNb負異常が認められなくなり、沈み込み帯の影響を受けないマントル物質からマグマは供給された。
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