研究課題/領域番号 |
01302026
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
井上 達雄 京都大学, 工学部, 教授 (10025950)
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研究分担者 |
新津 靖 東京工学大学, 精密工学研究所, 助手 (70143659)
河井 昌道 筑波大学, 構造工学系, 講師 (90169673)
大野 信忠 名古屋大学, 工学部, 助教授 (30115539)
吉田 総仁 広島大学, 工学部, 助教授 (50016797)
今谷 勝次 京都大学, 工学部, 助手 (70191898)
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キーワード | 非弾性構成式 / 寿命評価 / 有限要素解析 / 塑性-クリ-プ相互作用 / 高温非弾性変形 |
研究概要 |
平成元年度では、(1)非弾性構成式を用いた有限要素解析コ-ドの検討、(2)ベンチマ-ク問題の解析、(3)切欠き部の応力分布に対する検証、および(4)寿命評価法による解析、に分けて次のように実施した。 (1)非弾性FEM解析コ-ド・・以前に調査したいくつかの統一型非弾性構成式に基づいてFEM解析コ-ドを作成した。その結果、アルゴリズムは複雑になるものの、比較的効率よく計算できる解析コ-ドを作成できた。また、汎用のプリ/ポスト・プロセッサを解析コ-ドに接続することによって、入出力の自動化を推進した。 (2)ベンチマ-ク問題の解析・・平滑材に対して、特に2軸メカニカルラチェット変形と位相差ひずみサイクルに関するベンチマ-ク問題を設定して、実験と種々の非弾構成式による検証を行った。その結果、ほとんどの構成式モデルはラチェットひずみの異積を大きく見積ることがわかった。これに対する改良が今後の課題である。 (3)切欠き材の変形試験・・比較的簡単な経路で実験を行い、切欠き底近傍のひずみを容量型ひずみゲ-ジを用いて測定し、FEM解析結果と比較検討した。その結果、弾性解析に比べ、切欠き底でのひずみの集中と応力の緩和が示され、非弾性解析の有効性が明らかになった。 (4)寿命解析・・切欠き材の寿命評価を行うため、疲労試験を行った(長期間に渡るものは現在続行中).FEM解析で得られた応力-ひずみ応答に基づいて寿命評価を試みたが、実験結果とほぼ対応することがわかった。長期間に渡るC-Cタイプについては今後の検討が必要である。 このように、非弾性解析を行ことによって、精度よい構造解析手法と寿命評価への適用可能性が示されつつあるが、次年度では各実験結果に対する詳細な検討を行うことによって、構成式に対する総合的な評価と非弾性解析手法の確立を試みた。
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