研究課題/領域番号 |
01302040
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
長瀧 重義 東京工業大学, 工学部, 教授 (00016320)
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研究分担者 |
岡本 享久 東京工業大学, 工学部, 助手 (50093737)
二羽 淳一郎 名古屋大学, 工学部, 助教授 (60164638)
佐伯 昇 北海道大学, 工学部, 助教授 (80002004)
高木 宣章 立命館大学, 理工学部, 助手 (50154753)
児島 孝之 立命館大学, 理工学部, 教授 (10066706)
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キーワード | ねじり / 鉄筋コンクリ-ト部材 / かぶりコンクリ-ト / コンクリ-トの引張剛性 / 初斜めひびわれ耐力 / 終局耐力 / 荷重-変形関係 |
研究概要 |
本年度はねじりを受けるRC構造物の耐荷機構を明らかにする目的で研究を進め、次のような結論を得ることができた。(1)純ねじりを受けるRC部材を構成する要素に注目し、二軸の圧縮-引張応力下にあるRC板要素内の実験から、コンクリ-トの引張剛性は側圧の影響を受け、ひびわれ発生後の剛性低下は一軸の場合より少ないことおよび要素内の鉄筋の平均応力-平均ひずみ関係は鉄筋単体の挙動と異なることが分かった。(2)純ねじりを受けるRC部材における「かぶりコンクリ-ト」の剥離現象は供試体の断面形状、かぶり厚さの影響を受ける。とくに矩形断面の場合には「かぶりコンクリ-ト」は初斜めひびわれ耐力には貢献しているものの終局耐力には全く貢献していない。(3)交番ねじりを受けるRC部材の終局耐力は一方向ねじりを受ける場合に比べて低下し、この傾向は鉄筋比が大きいほど顕著であった。(4)交番ねじりを作用された場合の荷重履歴曲線より得られるエネルギ-消費量および等価粘性係数は、「かぶりコンクリ-ト」の剥離現象と密接な関係があり、交番ねじりを受ける場合にはさらにこのかぶりの影響は大きい。(5)鉄筋コンクリ-ト特有の現象であるコンクリ-トの軟化、コンクリ-トの引張剛性、ひびわれ面でのせん断抵抗および鉄筋のひびわれ面での局部降伏を考慮してモデル化を行い、面内力を受ける板要素の解析を基に、この種部材の解析手法を提案した。解析結果は実験より求めたねじりモ-メントを受ける部材の荷重-変形関係をひびわれ発生前から終局に至るまで精度よく捉えることができた。(6)土木学会のねじり耐力式は、通常の場合、設計上腹部コンクリ-トの斜め圧縮破壊耐力が安全側に設定されているので問題はないが、PC鋼材を軸方向鋼材として用いかつ導入プレストレスが少ない時には終局ねじり耐力が斜め圧縮破壊耐力を下回ることがある。
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