研究課題/領域番号 |
01302042
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
藤井 学 京都大学, 工学部, 教授 (30031074)
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研究分担者 |
井上 晋 京都大学, 工学部, 助手 (30168447)
宮本 文穂 神戸大学, 工学部, 助教授 (10093535)
井上 正一 鳥取大学, 工学部, 助教授 (10032286)
宮川 豊章 京都大学, 工学部, 講師 (80093318)
小林 和夫 大阪工業大学, 工学部, 教授 (10021586)
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キーワード | PC斜張橋 / 限界状態設計法 / 荷重 / 荷重係数 / アルカリ骨材反応 / 発水 / 表面処理 |
研究概要 |
わが国においては、コンクリ-ト構造物の設計は従来から許容応力度設計法によって行われてきたが、昭和61年に新たに制定された土木学会のコンクリ-ト標準示方書では許容応力度設計法を暫定的に認めてはいるものの、限界状態設計法を基本とするものに大幅に改訂された。 限界状態設計法を確立するためには、抵抗強度や荷重作用のバラツキを考慮して適切にモデル化することが必要である。この場合、土木学会示方書では終局限界状態の検討に用いる荷重の特性値として構造物の施工中および耐用期間中に発生する最大または最小荷重の期待値を用い、推定困難なバラツキによる危険側の影響は荷重係数を導入することによって排除するという考え方を採用している。しかし、現在のところ荷重に関するデ-タは必ずしも十分ではなく、PC斜張橋を特象とした場合にその活荷重係数などを合理的に決定するためには、例えば道路橋については交通荷重の実態や車両の走行状態などを詳細に調査し、それらにもとずいたシミュレ-ション解析による検討が必要である。主径間長270mのモデルPC斜張橋で、自動車荷重の実態調査結果にもとずいた解析結果によれば、活荷重保数として最大2.2程度であることが明らかとなった。 限界状態設計法を適用するにあたっては、荷重ばかりではなく、コンクリ-トのドラツキあるいは性能の変化を適確に把握することが重要である。近年大きな問題となったアルカリ骨材反応は、適切に配筋されている場合、耐荷力の低下は生じないものの、コンクリ-ト膨張を抑制する補修対策の確立が望まれている。種々の実験的検討結果によれば、発水系材料による表面処理が最も適切であることが明らかとなった。
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