研究分担者 |
中野 晋 徳島大学, 工学部, 講師 (50198157)
清水 義彦 愛媛大学, 工学部, 助手 (70178995)
村上 正吾 京都大学, 工学部, 助手 (70166247)
辻本 哲郎 金沢大学, 工学部, 助教授 (20115885)
禰津 家久 京都大学, 工学部, 助教授 (30109029)
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研究概要 |
本年度の研究によって得られた成果は次の通りである。 1.流れが空間的に一様,時間的に非定常である一方向流・振動流芝存場における掃流砂運動に対して,移動速度で考慮した掃流砂の確率モデルを適用し,pickーup rate,掃流砂量の時間変化を明らかにした。この結果は室内水理実験の結果とよく一致し,提案されたモデルの妥当性が十分示された。 2.掃流砂の確率モデルの構成要素であるpickーup rate,step length,移動時間をその力学機構に基づいた数値シミュレ-ションによって検討し,砂粒径,比重,無次元掃流力に対する関係を見い出した。その結果は流砂モデルへの組み込みを考慮し簡便な式形で表示された。 3.粗度急変流れの遷移過程をレ-ザ-流連計にて詳細に計測し,底面から発達する内部境界層が2つの領域に分けられることを明らかにした。すなわち,新たな粗度に対応する流れが遷移状態にある領域(遷移領域)とこの粗度に対応する応答が見掛上完了した領域(擬似安定領域)の2領域の存在に初めて言及した。さらに従来より指摘されていた底面せん断応力のovershoot現象に及ぼす粗度,Froude数の効果についての知見を得た。 4.透水性の高い浸透層とみなしうる植生層の内外に生じる低連流,高速流に特徴づけられるせん断乱流場の発達過程の実測を行った。その結果、遷移過程が境界面を通過する流れの構造によって流下方向に2つの領域に分けられることを見い出した。さらに、植生の形状抵抗を考慮したKーε乱流モデルを用いて,この流れ場を数値的に再現した。得られた結果は実験値を良好に説明し得た。
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