研究課題/領域番号 |
01302061
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
原子力学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
香山 晃 東京大学, 工学部, 助教授 (80092203)
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研究分担者 |
阿部 勝憲 東北大学, 工学部, 教授 (70005940)
桐谷 道雄 名古屋大学, 工学部, 教授 (70033826)
井関 道夫 北海道大学, 工学部, 教授 (70023124)
高橋 平七郎 名古屋大学, 工学部, 助教授 (80001337)
松井 秀樹 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (50005980)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1991
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キーワード | 核融合炉材料 / 高速中性子照射 / FFTF / MOTA / ボイドスウェリング / 照射クリ-プ / ヘリウム効果 / 微小試験片技術 / 低放射化材料 |
研究概要 |
核融合炉への利用が検討されている広範な種類の材料について高速中性子を高線量まで照射し、照射による強度特性変化、クリ-プ、体積膨張(スウェリング)などの材料劣化について実験的検討を行った。オ-ステナイト系ステンレス鋼、フェライト/マルテンサイト二相鋼、ダングステン置換低放射化マルテンサイト鋼、マンガン安定化マルテンサイト鋼、バナジウム合金、折出強化型銅合金、モリブデン合金などの金属材料に加え、バナジウム/アルミナ耐熱接合材、繊維強化複合材料などを対象とした。オ-ステナイト系ステンレス鋼においては、照射下におけるミクロ組織変化、チタンなどのスウェリング抑制元素の効果などの概要が明らかになった。マルテンサイト系の材料では比較的低温度域において卓越した組織安定性を示すこと、低放射化を意図してマルテンサイト系耐熱材料の主要成分元素であるモリブデンをタングステンで置換した場合にもその優れた組織安定性が維持されていることが示された。バナジウム合金では、一部の二元合金では極めて大きい体積膨張を示す一方、多元系では優れた耐スウェリング性を示すことが明らかになった。 また、重照射研究に特有な実験手法として、不活性ガスによる加圧微小円筒試験片を用いた照射下クリ-ブ試験、遠隔操作型全自動微小引張試験装置などが開発または確立された。核融合炉材料における核変換ヘリウムの効果を検討するための実験手法として、ボロン添加法、ニッケル添加法、中性子スペクトル調整法ならびにダイナミックヘリウムチャ-ジ実験法が実行に移された。 以上のように、高速実験炉を利用した核融合炉材料開発・評価の目的のために多角的なアプロ-チがなされ、次年度以降における発展的研究の基盤となる成果が得られたと言える。
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