研究分担者 |
井上 頼直 理化学研究所, 太陽光科学, 主任研究員 (70087592)
佐藤 和彦 東京大学, 理学部, 助手 (00090522)
伊藤 繁 基礎生物学研究所, 助教授 (40108634)
田隅 三生 東京大学, 理学部, 教授 (60011540)
池上 勇 帝京大学, 薬学部, 教授 (10082322)
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研究概要 |
分光測定に適した生物試料の調整については,池上は好熱性アン色細菌から果光性クロロフィルの大半を除いた系I反応中心複合体を得ることに成功し,その種々の性質を明らかにした。また加藤と佐藤(公)は系II反応中心を結合したD1とD2蛋白質複合体についてクロロフィルが従来考えられていたより多く結合していることを見出し,クロロフィルの役割について新しい問題を提起した。加藤はさらに系II反応中心附近に存在する新しい鉄1原を見出した。また好熱性アン色細菌から新しい系II複合体を分離することに成功した。 伊藤と佐藤(和)はそれぞれ系Iおよび系II標品について種々のキノンの結合を内光分光法を用いて解析し,その結合定数や電子伝達機構とキノンの化学構造との関係を明らかにした。桜井は糸I反応中心複合体の電子受容体で選択的に破壊し、EPR測定を行ない、結合型鉄イオウセンタ-間での電子伝達順を明らかにした。河盛は系II標品でのEPR測定により水の分解に関与しているマンガンのシグナルの挙動を調べ,その使用機構について新しい知見を得た。井上は系II電子伝達反応の逆反応に由来する熱発光について始めてるの発光スペクトルの測定に成功し,それがクロロフィルの蛍光スペクトルと一致することを示した。小林は好塩菌の暗順応型バクテリオロドプシンについてはじめてフェムト秒領域での分光測定を行い,光化学反応の初期過程の実体を明らかにした。山崎は薬類について,また三宝はフィコビリンについて,それぞれピコ秒領域での蛍光の分光学的解析を行い,励起エネルギ-の色素間の伝達速度を測定し,エネルギ-伝達の機構のモデルに提出した。田隅はラマン散乱測定により初期光化学反応に伴うクロロフィルの存在状態の非少な変化の検出・解析に成功している。
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