研究分担者 |
保尊 隆享 大阪市立大学, 理学部, 助教授 (70135771)
竹葉 剛 京都府立大学, 生活科学部, 助教授 (10046500)
鎌田 博 筑波大学, 遺伝子実験センター, 助教授 (00169608)
勝見 允行 国際基督教大学, 教養学部, 教授 (10052242)
今関 英雅 名古屋大学, 農学部, 教授 (90023431)
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研究概要 |
黄化ヤエナリ芽生えを材料として,アブシジン酸結合-EAHセファロ-スアフィニティ-カラムを用いることにより,可溶性のアブシジン酸結合タンパク質を,初めて得ることができた。この結合タンパク質画分に含まれる1種類のタンパク質を部分精製し,解離定数が10^<-7>Mであることが明らかになった。黄化ヤエナリからジベレリン結合タンパク質を単離・精製し,さらにアブラナ黄化芽生えからも,部分精製であるが,ジベレリン結合タンパク質を得ることができた。 植物ホルモンで調節を受ける遺伝子に関する研究では,ニンジンを材料として,オ-キシンで調節を受けるAX110,およびアブシジン酸で調節されるECP31がそれぞれクロ-ニングされた。また,ジベレリンによって調節されるグルタミン合成酵素遺伝子のプロモ-タ-領域をGUS遺伝子に連結し,タバコ細胞に導入して,トランスジェニックタバコでの発現を調べた。オ-キシンで調節を受けるACC合成酵素遺伝子については,そのcDNAクロ-ニングに成功し,その塩基配列を明らかにすることができた。 遺伝的矮性植物の作製をDNAメチル化剤を用いて行い,矮性に関与する遺伝子を単離し,その性格を明らかにする実験では,2つの遺伝子が単離された(AK22,AC1.2)が,その性格付けは,植物ホルモンとの関係で現在検討している。 植物ホルモンの生理作用発現の過程を詳しく調べる目的で行われた研究で,マイクロチュ-ビル配向の決定において,ジベレリンが直接的にマイクロチュ-ビル形成に関与している可能性が示唆された。また,オ-キシンによる細胞伸長において,細胞壁の合成と分解に関与している酵素が重要な役割をはたしていることが明らかにされた。
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