研究分担者 |
道端 齊 富山大学, 理学部, 助教授 (00111740)
佐藤 矩行 京都大学, 理学部, 助教授 (30025481)
星 元紀 東京工業大学, 生命理工学部, 教授 (20012411)
星野 善一郎 岩手大学, 教育学部, 教授 (30004592)
沼宮内 隆晴 東北大学, 理学部, 助教授 (90004324)
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研究概要 |
1.ユウレイボヤ類では,Ciona intestinalisとC.savignyiの比較を行った。その結果,1)両種の精子活性化因子は,機能ドメインを共有している可能性が高いこと,2)両種の精子ー卵膜結合仲介因子間ではグルコ-ス含有脂質及び糖タンパク質に違いがあることが分かった。3)両種のrDNAの比較も進行中である。 2.マボヤの種内3群では1)7種のアイソザイムについて解析を行ったが,群間の差異は検出できなかった。2)3群間のF1は1年間の飼育に成功したが,外部形態の特徴はまだ発現していない。3)成熟した生殖巣からmtDNAの抽出精製に成功し,制限酵素断片を作成して解析する技術が確立された。 3.イタボヤ類では,1)被嚢細胞(tunic cell)及び被嚢キュ-チクルが,このグル-プの系統を考えたり,外部形態で同定困難な種の同定に使えることを発見した。2)Botryllus属及びBotrylloides属の系統分類の再検討を行い,新たな視点からこれらは3属に再編成されるべきであるとの結論を得た。 4.分子生物学的にホヤの系統的位置を推定した。筋肉アクチンのcDNAを用いてマボヤの発生におけるアクチンの発現様式を調べた結果,ホヤの発現様式は脊椎動物のそれと類似し,棘皮動物のそれとは異なっていることが分かった。つまり,ホヤがウニ類より脊椎動物に近縁であることが分子生物学的にも確かめられた。 5.バナジウムの含有量とその化学形態については,1)バナジウム含有量は種によって非常に異なるが,原子価は血球中では殆どの種で3価である。2)バナジウム結合物質バナ-ドビンの含有量も種によって異なる。 6.精子の先体については,1)種によって,存在する部域,数および大きさ変化が認められる。2)その変化は系統をある程度反映している,ことなどが明らかにされた。
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