研究分担者 |
三宅 博 東京農工大学, 農学部, 助教授 (60134798)
石原 愛也 岩手大学, 農学部, 教授 (20011827)
武岡 洋治 名古屋大学, 農学部, 助教授 (70023455)
河野 恭廣 名古屋大学, 農学部, 教授 (90023407)
谷口 武 名古屋大学, 農学部, 教授 (10023409)
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研究概要 |
最近,植物培養組織または培養細胞を用いた研究で,不定胚の発生がイネ科作物にも形成されるといわれている。しかし,真に不定胚が存在するか否かは明らかでない。それ故にIn vivoとIn vitroの形態形成の比較が必要となり,本研究をすすめている.インタクト植物と培養根における根系形質の発現の個体間変異を比較した結果,前者で小さくなることを認め,根の形質発現に対する地上部の形態制御効果を認めた.しかし,暗黒下のめばえと,明条件のものとを比較すると,明らかに後者で変異は小さくなり,根の形態制御に対する地上部の働きには,光が必須のものであることを確認した.異常高温下におけるイネの内生ジベレリンは,高温により発育抑制を受けた穂では減少した.黄化萎縮病イネに発生する小穂の形態変化は,遺伝子突然変異による形質転換と類似し,茎頂の構造生理と形質発現に両者の共通性を認めた.6年間室温で貯蔵したオマセコムギをブラシノライドとフィガロンの両者で処理すると,64%の種子が正常に発芽した.種子1ヶ体づつの発芽時の発熱量を測定することにより,種子の活性を定量化することができた.リンゴの台木マルバカイドウの培養シュ-トの葉を用い,これから誘導したカルスからの高頻度の再分化条件を明らかにした.また,リンゴ矮性台木の胚珠起源のカルスから再分化能の高いカルスを選抜した.シコクビエジアイアントド-ムには,クチクラ層が発達した均質な組織構造の表皮系が認められた.マツバボタン幼植物から緑色のカルスを誘導した.この内部には仮導管が多数分化していた.Nicotiana glutinosaの再分化能の高い細胞株の代謝生理的特性を明らかにし,またプロトプラストからの再分化系の確立をおこなった.暗処理レタス子葉のプロトプラストと明条件のプロトプラストを電気融合し培養した.クロロプラストは細胞中心部への集中傾向があった.以上のようにin vivoとin vitroの系の比較をした.
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