研究課題/領域番号 |
01304011
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
平田 尚美 千葉大学, 園芸学部, 教授 (30032080)
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研究分担者 |
弦間 洋 筑波大学, 農林学系, 助教授 (70094406)
田辺 賢二 鳥取大学, 農学部, 教授 (40032106)
岡本 五郎 岡山大学, 農学部, 教授 (30026611)
堀内 昭作 大阪府立大学, 農学部, 助教授 (80081545)
杉浦 明 京都大学, 農学部, 教授 (00026379)
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キーワード | 果樹 / 生理活性物質 / 花芽分化 / 受精と結実 / 生長と成熟 / 子房培養 / 休眠 / 生理障害 |
研究概要 |
本研究では、果樹のライフサイクルを発根・発芽、受精・結実、花芽分化、果実の生長と成熟、生理障害、休眠、繁殖などの段階でとらえ、それらを制御している植物生理活性物質を明らかにしようとした。 4倍体ブドウ品種の結実不良の原因となっている花粉管生長阻害物質は、雌芯中で極めて安定であり、主として花粉管の原形質の合成阻害あるいは変性させる作用のあることが明らかとなった(岡本)。半矮性や矮性台木に接ぎ木したリンゴ‘ふじ'では、硝酸態窒素施用区よりアンモニア態窒素施用区で花芽形成が促進された。これにはxylem sap中のジベレリンやサイトカイニン様活性の変動が関連していることを認めた(杉浦)。ブドウ‘巨峰'の子房を培養した場合、果粒中に多量のアミノ酸が蓄積し、また樹上果中ではリゴ酸と酒石酸を蓄積するが培養果中では酒石酸が全く認められず、培養果中では異常代謝が起こっていると考えられた(平田)。キウイフル-ツにKTー30処理すると果重が約80%増加する。このKTー30の作用は果実のシンク力を高め、周辺部の葉から同化物質を多量に取り込むためと判断された(松井)。カキ‘平核無'果実のヘタ片除去による果実の生長や成熟抑制は酸性インベルタ-ゼ活性の低下により果肉中にショ糖が蓄積し、同化物質の転流抑制が起こるためと思われた(米森)。ニホンナシの生理障害である水ナシは、根の老化に伴うCa^<2+>や養水分の吸収低下、エチレンの発生増加及び細胞壁の分解促進が原因していることが明らかとなった(田辺)。ブドウ種子の休眠は果実内の糖やABAの蓄積により起こるが、さらに種皮、胚、胚乳の相互関係により制御されることが組織培養法により確認された(堀内)。果樹の挿し木繁殖におけるjuvenilityと発根能との関係はポリアミンとエチレン及びオ-キシンとの平衡関係に基ずくことが認められた(弦間)。
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