研究分担者 |
荒木 眞之 筑波大学, 農林学系, 助教授 (80193077)
糸賀 黎 筑波大学, 農林学系, 教授 (40114037)
大久保 達弘 宇都宮大学, 農学部, 講師 (10176844)
永野 正造 岩手大学, 農学部, 助教授 (40003735)
須藤 昭二 山形大学, 農学部, 教授 (10007057)
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研究概要 |
1,環境調査:北海道、黒松内営林署狩場山国有林及び白神山地、鯵ヶ沢営林署小森国有林、二ツ井営林署米田山国有林のブナ林に設置しておいた気象測器(最深積雪計・積雪移動杭・温度計)の読み取りと撤収を行い、成長量測定のための毎木調査の再測の結果、極めて僅かの成長を認めた。苗場山国有林、葛根田国有林、飯豊山国有林等のブナ林において新たに成長量調査区を設定し毎木調査をした。さらに気象測器をセットした。 2,更新機構調査 飯豊山系のブナ林の更新調査のため、6林分にそれぞれ20mx20mの調査区を設け、高木層構成樹木の毎木調査を行い、アイソザイム分析試料を各林分から100点を採取した。太平洋側のイヌブナ天然林及び日本海側のブナ天然林の構造と更新様式を明かにするため高原山(栃木県)で林冠ギャップ、カヤノ平(長野県)で閉鎖林冠下に調査区を設け、毎木調査を行い2タイプのブナ天然林の更新様式を考察した。葛根田(岩手県)、五味沢(新潟県)のブナ林で更新状況を調査した。種子と萌芽による更新の両者が立地環境に対応して存在していた。 3,遺伝変異調査:狩場山、黒石沢等6林分で、調査した12酵素種、計16推定遺伝子座について、個体別の遺伝子型を判定した後、多型遺伝子座の割合(Pl),1遺伝子座あたりの対立遺伝子数(Na)、観測及び期待平均ヘテロ接合体率(Ho,He)を算出した。昨年、分析した3林分と合わせ、計9林分のアイソザイム遺伝子型分析結果をまとめた。前記の各遺伝的的指標の平均値は、Pl=70.8%、Na=2.5、Ho=0.17、He=0.14であつた。遺伝的多様度(Gst)は0.014、遺伝距離の平均値は0.003であり、林分間の遺伝的分化が極めて小さく、変異のほとんが林分内に保有されていた。
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