研究課題/領域番号 |
01304021
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
長田 昇 三重大学, 生物資源学部, 教授 (30024532)
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研究分担者 |
長堀 金造 岡山大学, 農学部, 教授 (30032973)
水谷 正一 宇都宮工学, 農学部, 助教授 (70093143)
北村 貞太郎 京都大学, 農学部, 教授 (30026455)
小出 進 東京大学, 農学部, 教授 (60003745)
梅田 安治 北海道大学, 農学部, 教授 (90001411)
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キーワード | 土地改良施設 / 他目的利用 / 利用形態 / 親水性 / 河川改修 / 景観整備 / 公園的セット利用 / 道路的セット利用 |
研究概要 |
平成元年に行った研究は、アンケ-トを主体とした全国的な事例研究と、個別調査を基礎とした地方別の事例研究に大別される。 全国的なアンケ-ト調査は、土地改良施設の多目的利用の実態を様々な角度から把握するために行われたものであり、合計47地区(25府県)から回答を得ることができた。収集した資料に基づいて新たに得られた知見を整理すれば、次のようである。 1.土地改良事業以外の目的で土地改良施設を利用する形態を種別すると、溜池・ダムでは11種,用・排水路では13種に整理することができる。 2.溜池・ダムの利用形態は「公園的セット利用」(公園・遊歩道、ボ-ト場,キャンプ場、体育館,宿泊場などの複合的利用)「排他的利用」(ゴルフ練習場、釣堀、養殖場などの単独利用)、そして、「教育的利用」(内水面漁業実習場)の3つに分類できる。 3.用・排水路の利用形態は「道路的セット利用」(遊歩道、自転車道、道路、公園などの複合的利用)、「道路単独利用」、「集落・生活系列用」(花壇、魚の放し飼い、融雪、防火等)、「排他的利用」(駐車場、進入路、倉庫、店舗用地等)の4つに分類できる。 4.用・排水路の他目的利用では、26例のうち15例で水路に蓋をしたり、橋をかけてその上部を利用している。親水性よりも生活の利便性や歩行の安全性が優先されている。5.他目的利用の事業者の営利性は、溜池・ダムで14例、用・排水路で5例が認められる営利的な他目的事業のほとんどが、土地改良区に施設使用料を支払っており、その年額は10〜3,000万円と幅広い。 個別的事例研究は、庄川の河川改修に伴う水利施設の景観整備について、畑地潅漑地区における土地良区の営農指導について、干拓地における土地改良区の役割等、全国12地区で実施され、成果をあげている。
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