研究概要 |
初年度の研究計画に基づき,農産物の一般性のある計測方法の策定を目標に,従来の研究を各分担者ごとに収集,整理を行ない,新たな展開を求めて,実験が遂行された。 また,情報の交換は各分担の研究企画ごとに,研究者のネットワ-クを通じ,効率化が計られ,研究の推進に大いに役立った。 主な研究は,(1)米の味成分の基礎物性の研究では,米の食味に関係する理化学的要素,評価法,米原料と米商品の品質向上の点からの研究である。(2)植物の培養苗の物性研究では,培養中の植物カルスをカラ-画像の測定法と,培養植物の成長計測を確立した。(3)農産物の自然裂果特性については,トマトを対象にトマト裂果と力学的特性及び水ポテンシヤルとの関係を明らかにした。(4)農産物の視覚的画像特性については,農産物の立体形状と色の認識方法を確立した。また,トマトのビデオ画像を,R.G.B成分に分解し,エッジ検出処理を行ない,果実の傷,変色等の識別方法を明らかにした。 (5)農産物の分光及び内部品質諸特性について,トマト,ナシ,リンゴ,モモ,カキ等の正常果と損傷果の分光反射特性から,損傷果を検出できる波長域を明らかにすることができた。 (6)カキのインベルタ-ゼ検出から,糖組成を明らかにすることができた。 (7)青果物の音の伝達特性については,スイカ,メロンの音の伝達性より,熟度を判定する方法を提案することができた。 これらの結果は,平成3年4月の農業機械学会において,テ-マセッションを行ない,広くこの成果を公表する。
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