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1989 年度 実績報告書

細胞生長因子の生理作用を中心とした遺伝的疾患モデル動物の病因の解析

研究課題

研究課題/領域番号 01304025
研究機関東京大学

研究代表者

塩田 邦郎  東京大学, 農学部, 助教授 (80196352)

研究分担者 浅野 敏彦  国立予防衛生研究所, 獣疫部, 主任研究員 (60100062)
林 良博  東京大学, 農学部, 助教授 (90092303)
高橋 迪雄  東京大学, 農学部, 教授 (30011943)
キーワード細胞成長因子 / 遺伝的疾患モデル / 実験動物 / アクチビン / Fibroblast Growth Factor / マストミス
研究概要

本研究計画はこれまでにその存在が報告されている多くの細胞成長因子について,各種実験動物の成長過程および遺伝性疾患モデル動物における発現や投与効果を調べ,これらの生理作用および病態成立への関与を知ろうとするものである。本年,新たに骨形成異常ラツト(ACH/ACH),停留精巣ラット,腎原発生ネフロ-ゼマウス(ICGN)などの系統が確立され(筏井,浅野),本研究計画で利用可能な遺伝性疾患モデル動物は約30種となった。本年度は既に作成し保有していたBasic Fibroblast Growth Factor(bFGF)や供与された抗体(EGF,TGF-α),市販抗体(TGF-β)に加えて,Erythroid Differentiation Factor(EDF,Activin)とその関連タンパクであるInhibinのサブユニット抗体も作成し,これらの特異抗体によるスクリ-ニングと細胞成長因子持続投与実験を開始した。正常ラット下垂体細胞を用いた実験で,Activinは下垂体細胞の中で卵胞刺激ホルモン産生細胞の数を増加させる作用があることが明らかになった(塩田,高橋)。さらにbFGFは下垂体からのプロラクチン分泌を慢性的に促進することも判明した(橋本)。免疫染色法によりActivinおよびInhibin様物質が胎生機から成熟期にかけて生殖細胞の細胞質中に存在していること(林),正常ラットの精巣でbFGF様物質が精子形成の特異時期に核内に存在しているのに対して性腺低形成ラットでは同抗体と反応しないことが示された(鈴木)。また,ICGNマウスは免疫組織化学および電子顕微鏡レベルでの観察により全く新しいタイプの腎原発生ネフロ-ゼマウスであることが判明した。さらに,副腎,卵巣組織での脂質代謝を示すMST系マストミスとその対照としてMCC系マストミスを用いてbFGFの発現を比較検討中である(浅野)。さらに,神経細胞の成長分化に対する成長因子の影響についても検討している(黒田)。このように,本年度は各種モデル動物と抗体の整備に重点をおいて研究し十分な成果を得ることができた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Kunio Shiota: "Calcium Metabolism,Serum Thyroid Stimulating Hormone,Prolactin,and Growth Hormone in Spontaneously Hypercholesterolemic Rats" Proceedings of the Society for Experimental Biology and Medicine. 190. 229-233 (1989)

  • [文献書誌] Atsuo Ogura: "Development of Nephrotic ICGN Mice-The Origin,Reproductive Ability,and Incidence of Glomerlonephritis" Experimental Animals. 38. 349-352 (1989)

  • [文献書誌] Atsuo Ogura: "Characteristics of Mutant Mice(ICGN)with Spontaneous Renal Lesions:a New Model for Human Nephrotic Syndrome" Laboratory Animals. 23. 169-174 (1989)

  • [文献書誌] Tetsuro Katayama: "Activin A Increses the Number of FSH Cells in Anterior Pituitary Cultures" Molecular and Cellular Endocrinology. (1990)

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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