研究課題
総合研究(A)
視覚の端末感覚受容装置である綱膜では、光受容、神経伝達物質、神経回路綱などの研究が幅広い手法を用いて行われ、超微形態学的綱膜研究は、生理学、生化学、分子生物学、生物物理学の業績と相補しつつ、綱膜に関する知識を飛躍的に増加させてきている。今回機能を構成分子の形態学的研究を綱膜においててかに展開すべきかを論じ、ともすれば閉鎖的になる学問を協会領域との切磋琢磨の中から更に発展させようと、形態学的発想から視覚研究を行っている研究者を中心に第一線の研究者を集めて、総合研究「脊椎動物における視覚情報処理過程の形態学的研究」を展開した。視細胞の微細構造と結合様式(外崎)並びにモノクロ-ナル抗体作製と同抗体による細胞解析(外崎)、視細胞光受容過程での phsphodiestrase活性の賦活の組織化学(齋藤)、ロドプシン遣伝子組み替えによる疾患解析(臼倉)。綱膜色素上皮に特異モノクロ-ナル抗体の作製とこれを用いた解析(廣澤)、水平細胞のヌペクル特性による結合様式解析(橋本)、アマクリン細胞における神経活性物の解析(根岸)、神経節細胞の軸索・樹状突起再生解析(田内)、片眼鰹の視覚投射(伊藤)、綱膜への遠心性線維投射(大塚)、イオン電流モデルによる綱膜神経回線のシミュレ-ション解析(臼井)、退行的光受容器官である松果体におけるビタミンA代謝解析(松島)、松果体細胞におけるビシニン分布(近藤)と幅広い研究を行うと共に、発表論文52篇、学会発表82篇の多数を数えると共に、研究会「光情報系の学際的理解」(平成1年8月4、5日)[生理研]、「視覚神経情報系への学際的アプロ-チ」(平成2年7月19〜21日)[生理研究]、及び最終報告会(平成3年2月2日)を開催して、広い研究分野間での意見交換を行っており、総合研究を通して成果を挙げることが出来た事に感謝を捧げたい。
すべて その他
すべて 文献書誌 (121件)