研究分担者 |
鈴木 宏一 大阪医科大学, 法医学, 講師 (60171211)
寺沢 浩一 北海道大学, 医学部法医学, 助教授 (40142715)
梅津 和夫 山形大学, 医学部法医学, 講師 (10091828)
石本 剛一 三重大学, 医学部法医学, 助教授 (30024673)
福島 弘文 信州大学, 医学部法医学, 助教授 (70135218)
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研究概要 |
ヒト生体試料として入手が最も容易で多くの遺伝マ-カ-を検出しうる血液・唾液を用いて、有核細胞中のDNA、血漿、赤血球中の遺伝的多型を検索した結果、今年度は主としてDNA多型を中心に多くの成果をあげることが出来た。 1)DNA多型:Apolipoprotein B-100遺伝子のVNTRに関し日本人においても70%変異率で多型が検出され、しかもnon-isotopoe法により検出可能であり、実際の親子鑑定でも有用であることが証明された(原田)。更にXY-P-MR24/1、α-Globin 3',Ha-ras,MucinのDNA probeを用いて、日本人集団に対して検索した結果、MR24/1にHinfIをまたglobin 3'にpvuIIをそれぞれ制限酵素を用いた場合、高頻度に異なる表現型を検出しえた。不一致率も84%〜92%と非常に高いものとなり法医学への応用の有用性が確かめられた(横井)。HLA抗原を規定するDNAの多型をDQA,B,DRB,DPBを対象としてPCRと制限酵素断片長差を利用して検索した結果、非アイソト-プ法により個人識別が可能となり今後親子鑑定への応用の有用性が明らかにされた(福島)。免疫ケログリンのH鎮C領域を支配する遺伝子群(IgCH)をRFLPsにより同定した結果、70%のヘテロ型が検出され、個人識別への応用性が示唆された(鈴木)。 2)酵素・蛋白の多型:血漿蛋白のα_2HS-グリコプロティンおよびオルソムコイドの多型について多くの集団について検索した結果、個人識別および各種疾患との相関を示すデ-タが集積された(梅津)。ヒトおよびサルのアミラ-ゼを唾液および血清について比較した結果、ヒトとサルではバンドの出現の有無、変異について著るしい差が存在することが判明した(石本)。
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